第123話 ローサは、分からない事だらけ

皆の所へ戻った僕とエメリナは・・・


「ヤってくれなかった・・・・」


しなくていい報告をしていた。


「あらあら、よしよし。」


ローサはエメリナを慰め?ていた。


「ええと・・・・その、私は特にどこかへ行かなくても、部屋の外とかでいいですよ?」


いやいや、3人に何かしたんだから、1人だけって訳にはいかないんですよ?それじゃあ不公平だからね?ローサがそれでいいと言っても僕が納得しないから。



「手間もかかりますし、時間の無駄ですよ?」


ローサの事はいまいちわからない。

普段、自分の欲する事を表に表さない。


まあ、僕の見ていない所でもしかして・・・・と思うが、普段からこんな感じだ。



さて・・・・何がいいかな?


僕はローサの手を引き、ゲートを使う。


最後まで悩んだんだ、彼女の行き先は。


そして選んだ先は・・・・


まだ薄暗い湖。


僕は湖に桟橋を作り、小舟を浮かべている。


小舟と言っても、きちんとした造りで、中にはベッドやトイレも備えている。


動力は魔石。


まあ、クルーザーみたいな感じだね。


「まあ、何時の間にこのような立派な船を?」


「君の為に作ったんだ。」


「まあ、ルドメロ様はお上手ですね。」


「そんな事ないさ。あ、ローサはお酒飲めるかい?」


「たしなむ程度なら。」


僕は度数の低い、カクテルみたいな・・・・女性向けのを取り出し、グラスに注ぐ。


きっとこうでもしないとローサは飲まないだろう。


あ、僕は一応20だから、ちゃんと飲めるよ?


「ルドメロ様のこのような知識は、異界の知識でしょうか?」


「・・・僕其処まで喋ったっけ?」


「隠ぺいされているようですが・・・・私は、その隠ぺいを看破できるのです、ルドメロ様、いいえ明参平さん?」


「・・・・まいったな・・・・そこまでお見通しかい?」


「ええ・・・・」


「それは誰かに喋ったのかな?」


「誰にも喋りませんよ。それと、あのサンペーさんは、どういう事か分かりませんが、以前ルドメロ様の中に居た・・・・精霊?人格?ですね?」


「驚いたな!こう言っては何だが普段のローサの振る舞いからは想像もつかないね。だからこそ僕はローサの事を測りかねていたんだ。」


「あらあらそうですか。あ、このお酒美味しいですね。」


「・・・・さりげなく話題を変えるあたり・・・・ローサは僕が思っているより気が利くし、賢いのだろう・・・・」


「それ声を出して言っちゃいます?」


「言っちゃあ駄目かい?」


「そ・・・・そんな事はないですけど・・・・まあ・・・・綺麗な朝焼けですね・・・・湖に映えて、すごく綺麗・・・・」


そうしているうちに、夜が明けつつあり、湖は綺麗なオレンジに染まっている。


「ローサ、君は僕に負い目があるね?」


「蘇生していただいた事でしょうか?それはもちろん、命の恩人ですから。」


「・・・・だからと言って、僕と結婚とかは別問題だから、考え直すなら今の内だ。」


「いや!そんなの嫌!折角ルドメロ様のご厚意を頂いているのに、それを諦めるなんてできません!」


僕は驚いた。ローサの普段のおっとりからは想像もつかないその強い剣幕。そして強い意志。

ちょっと安心した。


「・・・・本当にいいのかい?」


「駄目と言っても追いかけます!」


「ふふ・・・そうか・・・・それは安心したよ。助けられた負い目で結ばれるとか、可哀想だからね・・・・」


「好きなのですから仕方ありません!」


「ローサの本音が聞けて良かった・・・・じゃあ、改めて、僕と結婚してくれるかい?」


「喜んで!」


僕はローサの手を取り、指輪をはめる。


見上げるその目に、ぐっとくる・・う・・・・普段おっとりだから意識しないが、彼女はエルフ。そして、人形のような整った顔立ち。


駄目だ・・・吸い寄せられる・・・・


暫らく抱きしめ、キスをする。


「・・・・ありがとうございます。それと・・・・この後、何かするのでしょうか?」


誰にも言ってないのに、なぜ気が付く?


「・・・・よく分かったね・・・・僕が、そうだね、かなりパワーアップする、とでも言っておこうかな?」


「よく分かりませんが・・・・無理はしないで下さいね?」

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