第106話 高温の素材を素手で形作るとか正気じゃねえ!
ルドメロはどんどん素材を剣の形にしていく。
その途中、一塊の素材がボトリと落ちる。
ルドメロはしばらく剣の形を整えた後、剣を置き、落ちた残りの素材を手にし・・・・今度は槌を作り始めた。
あっという間に成型が終わり、何やら魔法で冷やしていく。
この槌も何やら常に青白い文様が浮かび上がっている。
さらに・・・・別の素材を平らにし、これも冷やす。
やはり文様が。
そして・・・・次は剣を打つぜ!
ルドメロは板をちょうどよい高さに置き、そこに剣を置く。そして冷やした槌で打ち始める。
輝く剣。文様が暴れまわっている。
まんべんなく打ちまくるルドメロはもう意識があるのかわからない状態だ。
そこまで見ていた親方が一言
「正気じゃねえ・・・・」
高温の素材を素手で成型するとか・・・・
そして気が付いた。
ルドメロが持っていたあの短剣。
これらもこうして作られたのか?
もしそうなら・・・・
自分には作るのは無理だ、と。
そう悟ってしまった。
出来るなら神の領域に近づきたい・・・・が、あんな事をすれば、その前に確実に死んでしまう。
親方は、神の領域をあきらめた。
・・・・
・・・
・・
・
ルドメロはあれから3度、ポチにブレスで剣をあぶらせ、そのたびに打ちまくっていた。
そして今は、青白い文様以外に、ほのかに赤い文様も浮かび上がっている。
まるで二対の竜が、剣の中に居るかのような・・・・
そして丸2日、ルドメロが剣を打ちまくっていたが・・・・
やがて打ち終わったようだ。
次は持ち手だ!
どうやらポチの鱗を使うようだ。
さらには、シロの牙を・・・・一つバキッと折った。
”うぐぐ・・・・痛いではないか!もう少しうまく折れんのか!”
文句を言うシロだが、ルドメロは聞いていない。
そして、ポチの鱗を・・・・直接剥がした。
”な・・・・何故だ・・・・我の鱗はまだ沢山あるだろうが・・・・”
鱗を牙で削っていく。
そして、剣の持ち手に巻き付けていく。
「ポチあぶれ!」
何と持ち手をあぶらせる。
シロの牙でさらに削り・・・・
持ち手が完成した。
「・・・・剣は終わった・・・・鞘・・・・鞘を作るぜ!」
これは今までのポチの鱗でいいらしく、ルドメロは鱗を取り出し、剣に巻き付けていく。
そして余分な所はシロの牙でカット。
腰に巻き付ける事ができるように、鞘にベルトを用意。で・・・・「ポチあぶれ!」
鞘をあぶる。
シロの牙でさらに削り・・・・
鞘はさらに何やら魔法?スキル?で付与を施したようだ。
「ふっ・・・・完成したぜ!」
そこにある剣は、神々しかった・・・・圧倒的な美しさ。
そして・・・・控えめだが、隠れた力。
恐らく使う時に解放されるのだろう。
親方は・・・・
「あれは鍛冶なんてもんじゃねえ・・・・」
と一言言って、消えてしまった。
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