第77話 指輪を・・・・は・・・・め・・・・る?

「あ・・・・なんとなくですが・・・・どれが誰のための指輪か・・・・なんとなくわかる感じです。」


ローサさんがそう言います。


わたしのはどれでしょう?


そう思っていると・・・・


「ねえローサ、私のはどれ?」


「・・・・まずは姫様からですよ?」


「あら残念・・・・」


私からでいいのでしょうか?


「ルドメロさん、どれか分かりますか?」


「あ?何がどれかなんだ?え?デイフェリアのがどれか?そんなん俺様にわかる訳ねえだろうが!適当適当!じゃあほれ!これをやる!」


ええ!?そんな・・・・適当に選んだんですか・・・?


「あ・・・・凄いです。適当と言いながら、ちゃんと選ぶんですね?」


「あ?んだよエルフのねーちゃん。」


「気にしないで下さい。さあ、デイフェリア姫に指輪をつけて差し上げないのですか?」


「分かってるぜ!ほれ指を出せ!」


思わず指を差し出しました。


ルドメロ様はためらわずにはめて下さりました。


あら?どうして皆さん唖然とした顔をしているのでしょう?


「ちょちょっと!ルドメロ!どうして左の薬指にいきなり指輪はめちゃってるの?」


「あん?どこでもいいじゃねえか?なんとなくはめやすかったんだよ?」


えっと・・・・申し訳ありません。私には左手の薬指に指輪をはめる意味が分からないのです。

結婚に関する王族の教育は、13になってからなのです。


なので、さっぱりわかりません。


あ、お姉さまが次のようですね?


「じゃあ次は私よ?さあ!はめなさいよ!」


「・・・・なあ、何で上から目線なんだ?」


「え?ええ?もしかしてはめてくれないの?」


「・・・・そんな顔すんじゃえねえ!こん中でお前が俺様と一番付き合い長いんだろ?もっとシャキッとしろ!ほれ、手を貸せ!」


「さあ・・・・・・あ・・・・これが・・・・結婚指輪・・・・」


まだ結婚してませんよ?お姉さま・・・・?ああ・・・これは所謂駄目な奴といわれる行動ですね・・・・


自分の世界に入ってしまわれました。


「お?次は私か?」


「・・・・自分ではめるか?」


「おい空気読め!そしてはめろ!」


「空気読めって・・・・空気なんざ見えんだろう?」


・・・・わざとなのでしょうか?それとも・・・・天然?


ルドメロ様はエメリナさんに指輪をはめました。


「・・・・む!何だこの感覚は?」


エメリナさんは何かを感じ取ったようです。


「では・・・・私もお願いしますね?」


「エルフのねーちゃんで最後か?サクッと終らずぞ?」


ローサさんの指にも指輪が・・・・



何やら絆ができた、そんな感覚です。


「なあ・・・・残ったのどうすんだ?」


「一個は自分のだろ?」


「誰が付けんだ?」

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