第70話 何かがおかしいのです

「ルドメロ様!待って下さい!!!」


「あ?なんだデイフィリア?そんなに大きな声出して、珍しいな?」


「らしくないね姫さん?何かあったのかい?」


「私も少し待った方がいいと感じます。様子がおかしいですよ。」


「あん?・・・・あれ?休憩所がねえな?魔法陣はあるが・・・・何だこの通路?そっから色が違うぞ?」


そうなのです。恐らく地上に出る魔法陣はあるのですが、休憩所がありません。そして、いつもなら先に進む通路ですが、ここのは明らかに色が違います。


「明らかに今までと違います。むやみに行くのは控えたほうがいいと思います。」


「・・・・そうか?デイフィリアがそう言うなら、やめとくぞ?いつもそんな事言わねえからな!」


ほっ・・・・よかったです。


「今まで100層あるのでは、と思われていたダンジョンですが、実際100層までありました。そして、予想では100層までだろうとの事でしたが、これはある意味当たっているのでは、と思います。この先を進むのは、あまりにもリスクがありすぎます。」


”うむ。我もそう思うぞ。この先は魔物の気配はないが、何やら別の気配があるからな。”


「何だシロ?なんかいるのか?」


”ああ・・・・わからんが、大量にいるな。動いているのは数体だが・・・・奥に眠っているのが数百体。”


「えっと?相手の実力が分からないのに、いきなり数百体ですか?」


”うむ。魔物ではないが、人でもなさそうだな。生き物のようだが・・・・”


「魔法陣で戻りましょう!今すぐに!」


「あ?わかったわかった!あ、ちょっと待て?どうせここには誰も来ねえんだろ?俺様収納にいいもん見っけてるんだ!ほれこれだ!」


・・・・何でしょうか?大きな布です。


「これな、2つあって、ほれ、見ろこれ、こうして少し離して並べるとだな・・・・」


「魔法陣ですか?」


「そうだぜ!いつの間に俺様作ったのか?思い出せねえが、そういうこった!」


ルドメロ様は、その魔法陣に乗りました。すると、光り輝き・・・・もう一つの方に移動していました。


「へ?何でそんなの個人で持ってるんだ?信じられない。」


エメリナさんが驚いています。


「ダンジョンでは当たり前にありますが、失われて久しい技術ですね。」


ローサさんも驚いています。


「これ隅っこに置いとけばいいんじゃね?そして、俺様の家にでも置いとけば、何時でもここに来れるつう寸法だぜ!」


何が寸法か分かりませんが・・・・


「魔法陣の片側ですが、使わない時は仕舞っておいた方がいいのでは?万が一何かがこの魔法陣を使ってしまえば、ルドメロ様のお家に未知なるものが侵入する事になりますよ?」


「それもそうだな?じゃあもう一つは仕舞っとくか!」


「それでお願いします。では、帰りましょうか?」


こうして全員無事に地上へ戻りました。


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