第43話 ここは何処だ?

・・・・ぅぅ・・・・もう食えん・・・・


・・・・うわ・・・・肉が・・・・肉があ・・・・


(一体どんな夢見てんのルドメロさん。あ、もうすぐ着くわね。)



寝ているルドメロが馬車のベッドですやすや寝ている間に、馬車は城へ到着。


「エウラリア様、お帰りなさいませ!」


「お勤めご苦労。」


馬車は城の中へ。


そしてある一角で停まる。


「エウラリア姫、お疲れ様でした。お降りになって下さいまし。」


「分かったわ・・・・ってそうだ、誰か人をよこしてほしいわね。この子を客間に運んでおかないと。」


「かしこまりました。手配をしてまいります。」


暫くして、数人の兵がやってきて、ルドメロは連れ去られた。


”マスターは何をしておるのだ!”


”魔力切れだろう。情けない・・・・”


”そうだな・・・・自身の魔力の管理もできぬとは、この先が思いやられる。”


《・・・・多分彼には無理でしょう・・・・もっと彼に魔力があればいいのですけど。》


・・・・

・・・

・・


「ふはあ・・・・よく寝た・・・・って、あ?ここは何処だ?」



・・・・俺様一体何をしていたのだ?は!そうだ!俺様は肉を食っていたんだ!なのになんで寝てんだ?


”マスターよ、よくもまあそんなに寝ていられるものだな”


「あ?んだと!ごるああ!シロの癖に何だそれは!」


”なんだと言われてもな・・・・事実を述べただけだ。”


「はあ?俺様は寝てたのか?」


”・・・・シロほっとけ。それより誰か来るぞ?”


コンコン


「うっせえ!何だごるああ!」


「・・・・起きてるようね。」


「何だエウラリアじゃねえか。おい、ここは一体何処だ?」


「何処って・・・・城よ?フェメニーノ城。」


「何!一体いつの間に?」


「今さっき、あんたが寝てる間に連れてきたのよ?」


「む!何たる事だ・・・・俺様、まさか眠らされていたのか?」


「・・・・店で肉食べて、眠くなったから寝ちゃったんでしょ?」



「うむ・・・・あの肉の味は、かなりのものだったぞ!また食べたいものだな。」


「・・・・はあ・・・・のんきなものね。これから父上・・・・国王陛下にお会いしなくてはいけないのに。」


「あ?何だって?王様に会えってのか?一体俺様が何やったってんだ?」


「・・・・ダンジョンよ、ダンジョン。大量のドラゴン討伐しちゃったじゃない?」



「あ?ドラゴン討伐しとらんぞ?ひょっとしてトカゲの事を言ってるんか?」


「はあ・・・いい加減トカゲはドラゴンって覚えてよ?あ、それより妹がもうすぐ来るわよ?」


「あ?妹?何じゃそれ?」



その時、ドアがバン!と大きな音を立てて開いた。


そして・・・・


「わあ!ルドメロさん!お久しぶりです!」


「あ?あんた誰だっけ?」


「・・・・ひ・・・・酷い・・・・婚約者を誰だっけだなんて・・・・!」


「あ?婚約者・・・・だと!・・・・お!おお!思い出したゾ?確か・・・・で・・・デミグラスソー・・・・じゃない!デイフィリアだ!」


「・・・・今、デミグラスソースと言おうとしていませんでしたか?」


「あ?何の事だ?それより、少し背が伸びたか?」


「あ、よくお分かりになりましたね、ルドメロ様。わたくしの愛しの人。」


「おいこら、抱きつくな・・・・ってキスすんじゃねえ!まだがきんちょじゃねえか!おっぱいばいんになってからにしろ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る