第34話 腹が減ったではないか!

「なあ・・・・俺様腹が減ったのだ・・・・何か食わせろ!」


「何言ってるんですか・・・・自分で何処かお店に行って、食べてくるか、作って下さい。」


「何だと!ここでは食事が出ないのか!」


お!いつの間にか真っ赤なねーちゃんが復活してるぞ!


「そんなに喰いたいなら、自慢のドラゴンのドロップアイテムの肉を喰えばいいじゃないか!」


「あん??そうか?しゃーねえな・・・・ちょっと待ってろ・・・・お肉あったか?」


「ドラゴン、お肉沢山ドロップしてましたよね?私も回収してますよ?」


「お!そうなのか?それはナイスだ!グッジョブだぜエウラリア!ってあったぞ?」


俺様、肉の塊を一つ取り出し、テーブルに置く。


どうだ!デデン!って音がするだろ?


「こ・・・・これが・・・・冒険者の憧れの的・・・・ドラゴンの肉か・・・・」


「なんだ?真っ赤なねーちゃんも喰いてえのか?」


「あ・・ああ・・・・食べてもいいのならな・・・・」


「ちょっとギルド長!涎が・・・・」


「は!いかんつい興奮してしまった・・・・女性として恥ずかしいな!」


既に大股おっぴろげておいて今更と思ったエウラリアだが・・・・それは心の奥底にしまっておく事に。


「しかし・・・・どうやって焼くか?」


「あん?そんなのポチに任せりゃ一発だ!おいポチ!この肉をちょいと焼いてくれ!あんまり焦がすなよ!」


「なんだと!我のブレスで肉を焼くのか!何たる屈辱・・・・しかし・・・・命令には逆らえぬゆえ・・・・無念だ・・・・」


そう言いつつ、ポチが肉を焼いていく。


ギルドの建物中に何とも言えぬいいにおいが充満する。


「お!いいな!いい感じに焼けてんじゃん!よくやったポチよ!たまにはお前も役に立つな!トカゲのくせに!」


その瞬間、ルドメロさんの頭はあり得ない角度に曲がってました・・・・ひい・・・・


「おいポチ何すんじゃい!ご主人様に向かって足蹴りとは、許せん!」


「それより食さぬのか?」


「そうだった!さあ喰おうぜ!」




ひい・・・・その有り得ない角度のまま、喋らないで・・・・


「おいエロガキ!きもいからその首何とかしろ!」


「あん?何言ってんだ?あんたが何とかしてくれよ!」


その時、ギルド長のすらっとした脚が、ルドメロさんの頭に命中・・・・首が元に戻りました・・・・あの人の身体はどうなってるのでしょう?


「いってええ・・・・おお!いい眺め・・・・」


ギルド長、パンツ丸見えですよ・・・・?


「これでいいだろ?じゃあ喰うか!」


・・・・

・・・

・・


遂に食したドラゴンのお肉・・・・今までにない食感、味・・・・あれ?味付けしてないよね?なのに何このお味は?


城に居た時、国王でもある父と一緒に食べた時も、こんなおいしいの食べた事がない・・・・



「うんめえ!肉汁すんげえ!」


「うむ・・・・こんなおいしい肉は・・・・今まで食した事がない・・・・何と素晴らしいのだ!」


「城でもこのようなのは一度も出ませんでした・・・・」



しばし満足したが・・・・この後襲ってきた不安感は半端なかった・・・・


何せドラゴンの肉は、超高級食材なのだ・・・・勿論、金貨よりも価値がある・・・・ずいぶん食べてしまいました・・・・



「あの・・・・その・・・・折角食べさせていただいたのですが・・・・ドラゴンのお肉・・・・・かなりの高級食材ですよね・・・・」


「あん?何言ってんだ?折角だからもっと食えよ!あ?モット欲しいのか?シャーねえな!これやるから、城にでも持ってって焼いてくれや!あん?シロ、てめえのこっちゃあねえ!」


「何だ呼ばれたと思ったのだが・・・・仕方がないな・・・・」


ああ・・シロさんが床でがつがつ食べてるので、脂が・・・・きっとお掃除は私が・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る