第15話 向かった先は?

「おい、こんな何もない場所に、本当に街があるのかよ?」


俺様かなり不安になってきたぞ?


”うむ。我とフェンリルが争っていた縄張りだからな。近くには魔素の濃い場所や、ダンジョンがある。ダンジョン付近には近づかぬようにしておったから、人が多かろう。そして、我の縄張りの向こうには、大きな街がある。”


本当か?


「あ?この付近はポチの縄張りだったのか?」


”マスターよ、それは違う。もとはシロの縄張りだ。こ奴が魔素の濃い方に侵食してきた結果、我の縄張りに来たので、争ったのだ。”


よく分からんが、お互い俺様のペットだから、仲よくしろよ?


そう思いながら眺めると、おお?確かにデカい街があるぞ?


「おおう!あるじゃねえか街が。俺様の今後の活躍の場か?」


”それは知らぬが、あの街でいいか?”


「ああ、いいんじゃねえか?じゃあ、あの街に行くぜ!」


そう思ってたんだが・・・・


・・・・

・・・

・・



「あ?何で入れねえんだ?」


「見てわかるだろう?そんなでっかいの連れてちゃあ、門を通れないだろう?そんな事も分からんのか?」


・・・・そうなのだ、ポチがデカすぎて、街の出入り口を通れないのだ。このモンバンとやらがそう言ってきた・・・・くそお!


ここは仕方ねえ。ポチに小さくなってもらうしか・・・・


「シャーねえポチ、お前小さくなれ!」


”無茶苦茶な・・・・ますたーの魔力をもらえれば、少しの間は小さくなれぬ事もないが、どうするのだ?”


「ああ?何だやればできんじゃんか、よっしゃ!許す!早くちっこくなってくれや!つーか最初からできるって言えや!」


”相変わらず無茶ぶりのマスターじゃな。ほれ、手を出せ。”


うん?こうか?あ・・・・うおおお!何だこれ?魔力?どんどん吸い取られてくぜ!



俺様もう失神寸前。


すると、目の前に、わんこサイズのちっこいポチが。


「何だ・・・・もっと早くちっこくなっとけよ。おい門番。これでいいだろ?」


「おお、すげ!ドラゴンがこんなちっこく!まあいい。通って良し。」


「うむ。おいペット1号2号、行くぜ!」


俺様の後をついてくるペット達。


あ、そういえば、これからどうしたらいいんだ?


”ギルドに顔を出せばいいのでは?人はいつもギルドに向かうようだが?”


「そうなのか?そう言えば教会でねーちゃんがそんな事を言ってたような・・・・よし、ギルドに行くぜ!」


こうして俺達は、ギルドに向かった・・・・って場所何処だ?


・・・・

・・・

・・


一方、馬車と共に残された女性陣は・・・・


「ねえ、私達、下着いつの間にか無くなってたよね?」


「ええ、あのエロガキが、私達を抱きしめたら、いつの間にか消えてたっけ?」


「で、これなんだけど、私達のカバンに、新品の、それもサイズばっちりの、物も今までとは比べ物にならないぐらい、いいのが入ってたんだけど?」


「よく分からんねえ。」


「え?そうなのですか?私は別に下着はなくなってませんけど?」


・・・・そりゃあまだ胸ないしねえ、ブラしてないっしょ?姫様・・・・

「それにさ、あいつ結局車軸を両方ともドラゴンの牙で作り替えちゃったよ。それにこの壁・・・・全部ドラゴンの鱗だよ?とんでもない価値になっちゃったけど、このまま姫様が使うのか?」


「そうするしかないだろう?まさか車軸にドラゴンの牙とか、言えるわけないだろう?しかも、車軸と馬車の金具、なにげに改造してったぞ。それと、この椅子、全部何か仕込んでやがる。いつも馬車に乗れば尻が痛くなるだろう?これ・・・・痛くないぞ?」


「?本当だ、揺れてもお尻が痛くない・・・・快適で気が付かなかった・・・・あいつ、エロいだけではなかったんだ・・・・」


「それにしても・・・・素敵な方だったわ・・・・」


「「「「えっ?」」」」


姫様は、庶民とは感覚が違うようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る