出発

第9話 デイフィリア・ガライ・アミエバ  メインヒロインの登場のようです

わたくしの名は


デイフィリア・ガライ・アミエバ



この国の第3王女。現在つやっつやの10歳!


まあ、所謂お姫様よ?


何でこんな所にわたくしがいるかと言えば・・・・


忘れもしない5年前、あの街でしか売っていない服を買おうと、従者を伴って馬車を走らせていたら、馬が何かに驚いて、暴走してしまったのよね。まだ私5歳よ?



そして、目の前に3人の兄弟が。


どうやら男の子がお兄さんと妹かしら?を突き飛ばし、自分は逃げ遅れ、私の乗った馬車に撥ねられ・・・・痛そう・・・・お馬さんに顔を踏まれてたわ。


どうやら向かっていたお店の子供さんだったらしく、お迎えの親が必死に看病してた。わたくし怖くって、泣いちゃった。


「王女様に置かれましては、お気になさらず。この子は頑強の持ち主。死にはしませんよ。」


彼の名はルドメロ・ララインサル。ララインサル商会の次男らしいわ。


わたくしその後も定期的に王都から看病をしに来ましたが、どうやら記憶を失ってしまわれたよう。おいたわしや・・・・



わたくしは決めました!この子の人生を狂わせた責任、何とかしてみせると。



分からないまま時は流れ、その人が15歳の誕生日を迎えると言うので、急ぎララインサル商会へ向かっているのだけれど・・・・



「姫様、無理があります。私共には脱輪をなおせませんわ。」


「そこを何とかするのがお仕事でしょ?なおしてちょうだい?」



結局どうにもならず、たまたま通りがかった馬車に助けていただいたの。


「はあ・・・・このままでは間に合いませんわね。」


「仕方ありません。ですが、この道を進めば、きっと歩いてやってくるその人と会えますよ?」


わたくしの護衛は全員女性。その一人が慰めて下さるのですが・・・・おっぱいが大きくって、羨ましいですわ。


「ちょ!姫様、そんなに胸を触らないでください。痛いですぅ。」


大きいおっぱいは痛いらしい。まだ私10歳。まっ平らな胸、これから膨らむのかしら?



その時、前方はるか先に、歩いている人を発見したと報告が。


もしかして?



そう期待をしていたら、突然馬車が吹っ飛んじゃって。


もう何度も転がってしまいましたわ。


幸い、馬車はしっかりした造りの上に、魔法で壊れないようにしているので、・・・・でも壊れたの。一体何者が?


「姫様!ドラゴンです!何ゆえこんな街道筋に!」


見ると何かと戦っているよう。


「もう一体は・・・・恐らくフェンリルかと。縄張り争いの果てに、ここにやってきたのでしょうか?」


どんどん遠ざかる2体の魔物。


そして、ひっくり返った馬車と、難を逃れたお馬さんが。


どうしましょう?女だけでは、このような馬車、起こせませんわ。

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