第10話 犬っころとトカゲに名前を付けてやる
「おい、生きてるか?酷い怪我だなあ?」
あ、こいつオスか。
俺様は目の前に居る白い犬っころに話しかける。
”うむ。もう我は長くはあるまい。”
うん?何か言った?
「そうなのか?今の犬っころが俺様に何か言ったのか?まあいい。それよりもだ。いつまでも犬っころでは可哀想だしな。名前を付けてやろう・・・・さて・・・・どうしたものか・・・・」
この時、俺様の頭に、すんごいぴったりな名前が2つ、思いついた。
「おう犬っころ。名前を思いついたぞ。2つだ。選んでいいぞ?”シロ”と”ポチ”だ。どっちがいい?」
我ながら素晴らしい名だ。素晴らしすぎて悩んでしまうのが難点だな。
”・・・・では・・・・シロ・・・・で・・・・”
「よし、今からお前は”シロ”俺様のペット第一号だ!」
この時、何やら俺様とこの”シロ”が輝きだし、何か繋がったようだ。
「おいシロなんかしたか?」
”・・・・マスター、我をテイムしたのじゃないのか?!”
「テイムって何だ?あ、まあいい。其れより怪我をしているな。俺様の魔法で治してやらあ!えっとどうすんだ?こうか?」
俺様、シロに触って治るイメージをすると、何だか力が抜けていく。それと共にみるみるシロの怪我が治っていく。
「おうおう?俺様やるじゃん、素晴らしい!」
”マスターよ、感謝する。これよりマスターが朽ち果てるまで、従おうぞ。”
「うん?ああ、ペットね。お前トイレとか問題ないか?散歩とか面倒だからな。」
”・・・・1人でできるわ!それより、ドラゴンがどうなったか確認したいのだが。”
「あ?さっきのトカゲか?何だか派手にやってたなあ。じゃあ、あっち行こうか?」
俺様はシロを従え、トカゲが倒れた場所へ向かう。
途中トカゲの鱗があったので、拾っておく。おうおう?硬いぞこれ?椅子や机によさそうだな?
そう思いながら進むと、もう虫の息のトカゲ(ドラゴン)が横たわっていた。
「おいトカゲよ、一応確認だが・・・・お前オスだよな?」
”その通りだ、人間よ。だが、それがどうしたというのだ。”
「あーやはりか・・・・女だったらなあ・・・・人の姿になってもらって、おっぱいや尻触り放題じゃないか。残念だ・・・・」
”残念がるのはそこか。”
”・・・・フェンリルよ、其方人の手に落ちたのか。哀れよのう。そこまでして生き永らえたいのか?”
”何を言うかドラゴンよ。”生きてこそ、だ。こ奴ら人の寿命はせいぜい80年。たかが80年我慢すればいいだけの話だ。其方はどうだ?もう後数分だろう?”
”・・・・だが、この怪我だ。どうやって助かると言うのだ?”
「なあもういいか?俺様、また閃いてな!やっぱ天才って感じ?今日からトカゲよ、お前の名は”ポチ”だ!」
”ポチ・・・・だと・・・・?”
その瞬間、また光って、俺様とこのトカゲが繋がった。
「おうよしよし、今からペット第二号を回復してやっからな。」
俺様はさっきの要領で回復してやった。
”凄い・・・・よもや人の身で、我をこれほど回復させようとは。何処の賢者だ?”
「あん?賢者って何だ?美味しいのか?」
トカゲとフェンリルはお互いを見やった。
あ、これ、あほの子や、と。
テイムされるの、早まった・・・・か?
「よし、幸先いいぞ?シロにポチ、ペットが2体か。楽しい旅になりそうだ!」
こっそりシロとポチはため息をつくのであった。
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