お前、「ラブコメ」って知ってるか。

@S-HAL

第1話 ラブコメとは、「ラブ」コメディだ

桜が舞い散るこの季節。人々は新たな出会いに期待と緊張を胸に抱え、新たな場へと進む。外には真新しいスーツを着た若者が次々と鞄を作って片手に歩いていく。中には汚れ1つ付いてない少し大きめの制服を着ておそらく新高校1年生が希望に満ちた顔で足早に横断歩道を渡る。そして、それを見ている大きな桜の大木。嗚呼、この季節は何と良き季節なのでしょう………


『お前、さっきから何言ってんの?』

『確かに春はいい季節かもしんねーけど、ここ学校だし、ここにいる人ほぼ、いや、全員が希望に満ちた顔じゃなくて絶望感丸出しの顔してんぞ。』

「お、いたのか。おはよー。

・・・え?お前、いつからエスパー能力付いたの!?俺が思ってること全部読み取られてるんだけど!?」


『答えは簡単。』

「?」

『お前が全部言ってた。』

「え?俺、口に出して言ってたの?」

『そうだけど』

「………」

『ん?どーした?』

「・・・・はっz」

『え?なんつった?』

「恥ッッッッッッ」

『wwwwwwww』

「頼む。この事は誰にも言わないでくれ。」

『分かってるって。俺たち、親友だろ?』

「だよな。信じてるぜ!」


『あのよ、聞いてもいいか?』

「何だー?」

『この小説ってさ、、、』

「おう」

『一応ラブコメだよな?』

「そうだな」

『 "ラブ” コメディだよな。』

「そうだな」

『 LOVE だよな』

「そうだな」

(LOVEだよなってどういう意味?)

『女子出てきてないよな』

「そうだな・・・・・・・!?」

『やっと気づいた』

「おい、どーすんだよ!話進まねェじゃねーか!」

『あと驚愕の事実なんだけどさ、』

「なんだ?」


『あと少しで第1話終わるらしいぞ。』


「は?」

「いやいや、そんなはずないでしょ」


『残念ながら本当だ。』

「え、ちょっまって男子2人の会話見て何が楽しいん?」

『さすがに俺も焦ってる』

「ちょっと誰かー!この小説のヒロイン役をやってくれる女子いませんk」



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