バスケット

「先生、俺……バスケがしたいです!」

「だめだ、だめだ! 俺が許さん!」


 職員室で泣き脅しをしようとした俺に、先生は周囲の視線を恥じることなく断言した。


「先生、どうして三津井くんを見学させたんですか?」

「こいつはバスケの度に、手の指を折ってきたんですよ! 一年生のときからずっと! 本命の受験が明日なのに、怪我させる訳にはいかないんです!」

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