翼鬼公朱麗月
姫百合しふぉん
臨隋水行
獨處
流不已混混、至蒼海相摧。
為騰蛇乗霧、雲沾地復回。
朝成世之桀、夕暮為土灰。
雖太平不久、国破山河在。
仙女歎獨處、臨星漢詠哀。
念恒同寝止、唯願令君来。
君何寄他方、美酒久停杯。
鳳鳥翔千里、安留滞寢臺。
一人の少女が瑟を鳴らしながら寂しげにこう吟じていた。その左右には一度顧みれば城を傾ける美を持つ歌伎が幾人も肌を晒して侍っていたが、少女の美しさの前にそれらは霞んで見える。その少女の骨像、軽雲に蔽われた月のように髣髴、風に舞う雪のように飄颻、しかしながら栄耀たること朝霞を登る太陽の如し。燦爛と輝く眸子で一度睩せば芙蓉は恥じ入り花弁を閉ざし、その皓質は星を稀にせしむ。柳の如く細い手足と腰、床に垂れて広がる美しい黒髪。彼女は炎のように赤い眸で月を見上げながら瑟を鳴らし続けていた。
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