等級概念を破壊せよ 〜ゴミF等級が!と罵られた少年は、実は至高の革命家の血を受け継ぐ【天性者】でした。バカにしたやつをざまぁして、学園最強へと成り上がる〜

北城らんまる

第一部 因果報応

Episode01 その少年、最底辺につき

「ここにお集まりのみなみなさま! 御覧ください、あれがF等級です!! どうですどうですどうですぅ? 無様でしょう、醜いでしょう?」


 進行係が、マイクを持って熱弁をふるっている。

 その視線の先にいるのは、僕。

 ぼろぼろの布切れをまとい、何も分からず連れてこられた哀れな玩具である。

 観客たちを楽しませるだけで、そこに人権など存在しない。


「F等級は庶民でもなければ“人”ですらない。家畜すら遠く及ばない労働道具。あぁみなさん、くれぐれも可哀想だなんてお思いになりなさるな? あんな小さくて可愛らしい小人でも、蓋を開ければ極悪無慈悲!! さあ絶対王政時代のゴミクズ共を、正義の鉄槌で成敗しようじゃありませんか!」

 

 これはエンターテイメントなのだ。

 ただ身分がF等級というだけで、悪者扱い。

 檻の中に入れられて、「勇者」にやっつけられる。

 

「あははははははは!!」

「F等級の存在価値なんて、ゴミクズと一緒なのよ」

「どうしてこの世にF等級なんて存在するの? 全員処刑されるべきだわ!」

「やっちまえ『勇者』!」

「S等級のかっこいいところを見せて、『勇者』様ぁあ!!」


 ただ、この場から逃げ出したかった。

 勇者などという古臭い役割で呼ばれる、正義ヅラした男に殴られるのは嫌だった。

 僕がいたぶられるのを見て、喜ぶ観客を見るのはもっと嫌だった。

 

 ──もう、うんざりだ。


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