石ころのプリンセス
寿元まりん
プロローグ
「ねぇ、知ってる?」
コソコソと聖霊たちは、美しい髪を春の風に靡かせながら、綿飴の様にふわふわなピンク色の雲の下でお話をする。
「ダイヤモンドの国のプリンセス…いなくなっちゃったんだって」
澄み切った海の様に美しいマリンブルーの髪を持つ聖霊が、悲しそうに呟いた。
昼下りの、オレンジ色に染まったばかりの空に言葉の粒を漏らすと、口からこぼれた粒は水色の星の様な形をして、地面に溶け込んだ。
「どうしてなの?」
光り輝く紫色の髪を持った聖霊が、不思想に尋ねる。
「プリンセスはとても美しくて魔石力も高かったけれど…」
口を開いたのは、エメラルドの宝石の様にキラキラとした『宝石眼』を揺らす聖霊。
悲しそうに、その美しい目を伏せた。
「呪われてしまったの…。ダイヤモンドの聖霊に…。」
☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます