主人公であり、違法オートマタを狩るハンターでもある「きみ」が意識を取り戻すと、自分を証明するIDを敵に奪われ、全くの別人のIDを押し付けられていた……。というシーンで始まるSFアクションもの。複数の人物の視点からこの世界の設定を知っていくという体裁です。
大都市メトロシティを中心に、この世界では人造人間であるオートマタが広く利用されている様子。しかし一方で、暴走する違法オートマタが蔓延っており、それに対応する民間の会社もまた、数多く存在しています。主人公はフリーのハンターとして、仲間と共に特別な違法オートマタ「ウェティブ」を追い、そこに民間会社の二人が絡んで来て……という物語。
展開や順序にやや練りこみ不足もありますが、世界設定やオートマタとの格闘・アクション描写はなかなか秀逸。古典の名作、ブレードランナーを思わせる設定で、懐かしくも面白く読めました。