2003年 春



上弦の細き光よ月の針魅せられてまた誰が掛かるだろう






薄墨に仰ぐ雲居に皓々と照るや十六夜白炎と燃え






花を連れ枝に戻れよ鶯よただ風の吹く庭は侘びしや






雪白の原に芽吹きし一輪の芳し花よ誰の仕業か






めぐむもの注ぐ天のひとかけらきみがすべてを内包していく





花見月 花はまだかと枝尋ね月はいずこと鳥を尋ねて






ぬばたまの月の望めぬ寂しさよまた巡りくと明日を仰いで






琅玕ろうかんだねなんて綺麗な艶やかな紅水晶に続く宝石






聞こえない耳澄ましても話しても 耳澄ましても息をついても

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