ハナツミビト

蓮月

第1話 プロローグ

 「おじさんなにしてるの?」

ふと、声のするほうへと視線を向けると、そこには本を抱えた小学校5年生ぐらいの子がこちらを見ていた。

「待ち合わせをしているんだ」

「となり、座ってもいい?」

「別に構わないが、向こうで友達と一緒に遊ばなくてもいいのか?」

俺の指の先では、女の子と同じくらいの小学生たちがボールを蹴りあって、楽しそうに遊んでいる姿があった。

「いいの。わたしは、本読んでるほうが楽しいから」

「…ならひとつ、俺がおはなしをしてあげようか?」

そんな俺の提案に、女の子は興味を持ってくれたのか、読んでいた本を閉じてこちらへと視線を向けてくれた。

「よし。じゃあ、今から話すおはなしは…」

 

  正者と死者の恋の物語だ

 

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ハナツミビト 蓮月 @Kuronel

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