第179話 チャラ男

 悪戦苦闘の末、ロリータの新しい水着を買って、外へ出ると真夏の太陽がまぶしい。


「うッわァ~……😣💦💦💦」

 思わず顔をしかめて悲鳴をあげた。


 ちょっと日向ひなたへ出ただけでも火傷やけどしそうだ。


 

 気温もドンドン上がっていく。

 腕時計を確認した。



「ン……😔💦💦」

 ここからなら特急電車に乗り、美浦海岸まで30分くらいだ。



 駅へ向かっていると、突然、すぐ横に車がブレーキ音を響かせて急停止した。


 シルバーメタルのセダンだ。



「おッ…、おいおい……😒💦💦」なんだよ。

 この運転手は……。

 危ないだろう。

 


 睨み付けると車のウインドーが開き、陽気にニヤけたチャラ男が顔を出した。



「よォ~、明日朗トロロォ~ー🎶✨

 どうした。そんな格好でェ……。

 海水浴にでも繰り出すのかァ~…❓ 

 ケッケケェ……✨😆🎶✨」

 車の中から二十歳前後のチャラい男性おとこが挨拶してきた。



「ン……、アキラか……」

 幼馴染みの馬場アキラだ。


 相変わらず、ニヤけたおバカヅラをしている。



 茶髪で、どちらかと言えばホスト風のイケメンなのだが、どこか笑い顔が下品でイヤらしい。


 だがうらやましいほど女性にはモテる。いつも複数の彼女がいると豪語していた。



 実家がこのあたりの近くなので駅前で、よく顔を合わせる。



「おォ~、何だよ。ずいぶん可愛らしい子と一緒じゃん❗❗

 トロローに、こんなキュートな妹なんかいたッけェ……❓」

 僕の腕に、すがり付くロリータをアゴで差した。



「べッ、別にィ~…… 妹じゃねェ~よ。

 この子は、ちょっとした……

 親戚の子だ」






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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