第143話 雨

「あのォ…… お邪魔しました……」

 僕は丁寧に頭を下げて挨拶をした。


 ドアを開けようとした時、背後から麗香に声を掛けられた。


「ねェ……😒✨✨」


「え、ハイ…… なんですか」

 反射的に、僕は振り返って彼女の顔を見た。


「ン…、あのバカ……😒💦💦 元気なの」

 麗香は相変わらず、そっぽを向いたまま視線を合わせない。



「あ……、ハ、ハイ❗❗ ロリータは……

 妹の麗美レミさんは元気ですよ❗❗

 卵かけご飯も良く食べますしィ~❗❗」

 今朝も元気に卵かけご飯を食べていた。


 安上がりなので、とても助かる。




「そう……😔 ン……、元気なら良いや。

 ありがとう」

 消え入りそうな声で彼女は礼を言った。



「いえ、どういたしましてェ……❗❗❗

 じゃァ~…、失礼します」

 僕は何となく清々すがすがしい気分で玄関を出た。




 外へ出ると相変わらず、雨がザーザーッと降り続いていた。


 大嫌いな雨だ。


 普段なら気が滅入めいるが、いつになく気分は晴れやかだ。



「アッハハハ……😆🎶✨ ロリータ❗❗

 今すぐ帰るぞォ~ー🎶✨」

 僕は雨の中、小躍りする気分で駆け出した。






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