第89話 裸の付き合い

 夕方、いったん雨は止んだが夜になり、また降り始めた。



 それにしても今年の夏は、よく雨が降る。


 雨は大嫌いだ。




 確か、好きだったアイドルの本城カレンが亡くなった日も一日じゅう雨が降っていた。


 まるで僕らファンの涙のようだった。




 ザァーーッと言う雨音を聞いているだけで気分が憂鬱ゆううつになってくる。




 不意に、リビングのソファに座っているアリスがロリータに声を掛けた。



「いらっしゃい。ロリータ✨😌🎶✨」

 あやしく微笑んで手招きした。


「えェ…… どこへ❓❓」

 美少女は不安げに僕の背中へ隠れた。


「フフ……✨😌✨✨ 一緒にお風呂に入りましょォ~」


「えェ……😔💦💦💦 アリスちゃんとォ~」

 美少女は僕の背中に隠れ不安な顔で眉をひそめた。




「そ……、もう面倒だからトロロォも一緒に入いるゥ……✨😌🎶✨」

 さらに僕にも呼びかけた。



「ま…、まさか……😳💦💦 僕は遠慮しますよ」

 首を横に振り応えた。



 みるみる頬が真っ赤に火照ほてっていく。



「そんなに恥ずかしがるなよ……。

 私は童貞チェリーボーイのチ○ポなんて、見飽きてンだからァ、さァ~……」

 たのしそうにケラケラと笑った。



「ううゥ……、僕はいいですよ……😳💦💦」

 慌てて手を振って断った。顔が真っ赤だ。



 まだ元セクシー女王様クイーンのアリスと裸の付き合いをするつもりはない。







∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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