第24話 代々木神園町少女
「eスポーツになっちゃった! 〇〇少女ワールド! アハッ!」
〇〇少女ワールドは大金の賞金が出る戦略シュミレーション・オンラインゲームです。
「お友達になろうよ! アハッ!」
姉の真理亜、お友達70億人キャンペーン実施中。
「こんなお姉ちゃんでごめんなさい。ペコッ。」
良く出来た妹の楓の物語。
「あれ? なんか忘れている様な。」
真理亜は自分が忘れ去られていることに気づいていない。
「隙あり! 私との戦闘中に考え事をするとは! 魔法少女アリアの名において命じる! 極大魔法! 火の流星! ファイア・シューティング・スター!」
アリアは真理亜の油断を見逃さず、攻撃を仕掛けてくる。
「ああー!? 卑怯者!? 渋谷区渋谷を火の海にする気か!? 魔法を使うなら敵地にやれよ!」
「あ、そっか。ポイッ。」
火の流れ星は敵地に降り注ごうとしている。
「消えなさい。災い。」
どこからか少女の声が聞こえて、アリアの魔法はかき消された。
「私の魔法が消えた!? すごい!? 真理亜ちゃんの新しい手品!?」
「いや~、それほどでも。って、今の私じゃないし。」
ノリつっこみのできる〇〇少女、それが真理亜だ。
「どこから!? 今の少女の声は!?」
真理亜は周囲を見回すが誰もいない。
「少女の声? 私には何も聞こえなかったけど。」
アリアには謎の少女の声は聞こえなかった。
「おお!? 少女の声は私だけに聞こえるのか!?」
「この世界を救ってください。」
また少女の声が聞こえてきた。
「誰!? あなたは!? いったいどこにいるの!?」
姿の無い物に語り掛ける真理亜。
「代々木神園町で待っています。神の血を引き継ぐ者よ。」
そして謎の少女の声は消えていった。
「代々木神園町? どこよ?」
「飛び地だね。渋谷区渋谷からじゃいけないや。神南を制圧するか、同盟国の神宮前を通って行くかしかないね。」
代々木神園町への道は、まだ開けていなかった。
「大丈夫。アリアちゃん、行ってくるから後をよろしくね。超能力少女真理亜の名において命じる! 瞬間移動! テレポーテーション!」
超能力を使いテレポーテーションで一気に代々木神園町を目指す真理亜であった。
「どうして私が神の末裔って知ってるの!? 只者ではない少女ね!?」
真理亜は瞬間移動の瞬間で神南の上空を領空侵犯する。
「でっけえ、鳥居だな!?」
真理亜は代々木神園町の明治神宮の入り口にたどり着いた。
「どうぞ。お入りください。」
「あの時の声だ!?」
どこからか少女の声がした。
「こらー! どこにいる! 姿を現せ!」
「私は本殿にいます。」
「本殿?」
場所が分からないので、入り口の境内マップを見る真理亜。
「宝物殿がいいな。お宝がいっぱいありそうだ。」
「本殿に来てください・・・・・・。」
「アハッ!」
邪な真理亜。
「隣の東京乗馬クラブがいいな! ポニーに乗り放題だ!」
「食べ放題みたいに言うんじゃない!? 私は本殿で待っていると言っているだろうが!?」
「アハッ!」
相変わらずの真理亜。
「じゃりじゃりしていて歩きにくいな。」
「文句を言うな! 神聖な明治神宮であるぞ!」
「アハッ!」
本殿に続く道は小石がいっぱいで歩きにくかった。
「長い!? 本当に本殿はあるのか!?」
「本殿はあります!」
「はあっ!? まさか!? 私を歩かせ疲れたところを襲う気だな!?」
「そんなことするか!」
「アハッ!」
道中、真理亜は謎の声と漫才をしながら楽しく歩いたそうな。
「喉が渇いたな。あっ! ラッキー! 井戸発見!」
「ダメッ! その井戸の水はお腹を壊すわよ。本殿に来たらドリンクバーでジュース飲み放題よ!」
「どんな本殿だよ!?」
「そこは気にするのね!?」
「アハッ!」
ということで、ダッシュで本殿に駆け込んだ真理亜!
「よく来た。大神真理亜さん。私の名前は神園町子。」
謎の声の少女が真理亜を出迎えた。
「1番! 私は偉いのだ! アハッ!」
「聞いてない・・・・・・。」
真理亜はそういう奴である。
「お客様! ドリンクバーはこちらです!」
「わ~い! ドリンクバー! 私、喉が渇いていたのよね!」
「釣れた。」
片っ端からドリンクを飲みまくる真理亜。
「ということで、私は争いの無い渋谷区にしたいのです。ですが、私は神に仕える身。この明治神宮から出ることが出来ません。ですから、あなたに託したいのです。この渋谷区の平和を。」
「え? コーヒーにコーラを入れると毒薬ができるって!? やってみよう!」
「誰もそんなことは言ってません!?」
「うまい! なかなか、いけるわね!」
「人の話を聞いているのか!?」
「アハッ!」
おバカな子は他人の話を聞かない。
「私はあなたに、この群雄割拠の渋谷区を統一して欲しいのです。」
「統一!?」
「渋谷区を制覇し、平和に導けるのは神の血を引くあなたしかいないのです。」
「て、て、天下布武じゃー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
自分の夢を思い出した真理亜。
「どうか渋谷区を全国制覇してください。」
「任せなさい! 不可能を可能にする少女! それが私です! アハッ!」
真理亜は天下布武に向けて動き出すのであった。
「町子ちゃん! 私たちはお友達よね!」
「ええ。お友達よ。」
「くれ。」
「何を?」
神園町子に手を差し出す真理亜。
「ドリンクバーの無料チケット!」
「はあ!?」
「お友達なら無料チケットをおくれよ!」
「渋谷区を統一したら、永久にドリンクバーを飲み放題にして差し上げましょう。」
「ケチッ。」
こうして真理亜は再び天下統一に邁進するのであった。
つづく。
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