曖昧な関係に終止符を
暁ノ夜空
第1話 出会いは純白
冬の寒さはどこかへ行き、春を知らせる風が強く吹く。
これだけ風が強いと女の子はスカートを抑えるので大変だよ……
「きゃっ!」
なるほど。白か。
しかも
なんて素晴らしいんだ。
ん? やばい、目が合ってしまった。
こっち近づいてくる。
「み、見ましたか?」
『いえ…綺麗な白だなとーーーーーーあっ。』
見事なまでに口が滑ってしまい一気に修羅場と化してしまった。
ここで逃げるのはおかしいし、ここは素直に謝ろう。
『見るつもりはなかったんです! ただ目の前で素敵な物が見えてしまったのでつい!』
「最ッ低!」
顔を上げた時には既に彼女の手のひらが頬まで数センチの所まで来ており回避をすることなんて出来ず、綺麗な音を響かせて僕の顔には真っ赤な
まあ可愛い女の子からのビンタならいくら貰っても耐えられるみたいな所あるよね。ちなみにドMではないです。
携帯を見るとチャイムが鳴るまで残り20分。
さすがに初日から遅刻する訳にも行かないので少しばかり小走りで学校へ。
ーーーーーーーーーー
昇降口の前に貼り出された新入生のクラス分けを見てクラスを確認すると僕はB組らしい。
黒板に貼ってある紙で席の場所を探すと運良く廊下側の1番後ろ。
ここの席は授業をしている先生からも廊下を通る先生からも見えにくいという神席。
隣が
割と周りに女の子が多いみたいで何だかラブコメの主人公になった気分でちょっと嬉しい。
可愛い子だったらどうし(ry
「あっ」
『あっ』
えっと…本日2度目の修羅場です。
まさかの隣の席の山宮
「余計なこと言うな!」
いきなり怒られてしまい弁明のチャンスを失い、さらに状況は厳しくなる。
「何?何?2人とももう友達なの?」
このピンチを救ってくれたのが前の席の古木
待って待って。古木さんもめっちゃ可愛い!
男子が好きそうなちょうどいいショートカットにピンクの髪留めがアクセントになっててこれまた素晴らしい。
「ち、違います!この人は私のパン…なんでもないです!」
「えっ?パン?」
突如現れた古木さんのおかげでこの場を何とか切り抜けて、僕はバレないように教室を飛び出しトイレに逃げ込む。
『はぁ…何とかなったけど』
それにしても僕の周りに可愛い子が2人もいて、なおかつタイプも違うっていうのがまたポイント高い。
黒髪ロングで若干のツンデレ要素のある山宮さん。
ショートカットでノリの良さそうな古木さん。
この2人と恋愛にまで発展してくれたら人生の勝ち組になれそうだが、周りからはきっと「彼女は可愛いのに男子残念すぎ」とか「あれ彼氏なの? どう考えても違うだろ」と思われるはず。
まあ最悪僕に彼女が出来なかったら妹の
ーーーーーーーーーー
教室に戻るとすぐに山宮さんに見つかり、こっぴどく怒られたけど悪い気はしなかった。
何度も言うようだけど決してドMではないです。
これから素敵な恋愛が待っているのか、それとも僕が命を失うのが先か。
僕の学校生活はまだ始まったばかり……。
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