酔いどれ異世界吟遊日記 シオーネさんは今日もきっと飲んでます
荒木シオン
吟遊詩人は酒場にいる
1杯目 今宵も飲んでますが、なにか?!
勇者召喚暦二〇二〇年・六月六日・ノーム・天気:曇り時々雨
ヒュ~♪ 今夜もご機嫌に酔っているシオーネさんなのです。
お仕事のあとのこの一杯のために生きていると言っても過言ではありません。
さて、そんな私ですが今日から日記を書くことになりました。
理由ですか? 酔った気の迷いです……。
いや、違うのです……仲間内にですね? シオーネさん毎晩、毎晩、酒場にいすぎじゃね? って注意されてですね……。
またまた~、そんなに通ってるわけないじゃないですか! いいですよ! そこまで言うなら記録を付けましょう!
と、まぁ……そんなこんなで今、ほろ酔い加減で書いているわけですが……。
大丈夫、私、酔ってない……ちゃんと色々憶えてるし! さっき〆のご飯も酒場の厨房を借りて自力で作りましたし?!
おうおう飲み仲間諸君、私は素面だよ、素面!
なんて呟きながら、大好きなオムライスを食べていたら、いや、それ以前に酒場に毎日通いすぎだって……とか注意されたわけですが……。
待つのです、私の行動を知ってるってことはお前らも、連日連夜酒場に来てるってことだからな?!
そう問いただすと私の空いたグラスにいそいそとお酒を注いで立ち去る飲兵衛ども……。
良いのです。許すのです。酔った上での粗相を責めるシオーネさんではないので! お酒美味しいですね!
さておき……今日はですね、街をあちこち行ったり来たりして忙しかったのですよ。
なぜに行商人でも冒険者でもない私が一日であの距離を移動しないといけないんですか……。
あ、ちなみに私の職業は吟遊詩人です。
酒場であることないことアレやコレやと音楽に乗せて語る胡散臭い職業なのです!
こう見えても黒髪ポニーテールな美人吟遊詩人シオーネさん、といえば知る人ぞ知る有名人なんですよ?
まぁ、知られていない人には全く知られてはいませんが!!
って、ちょっと待つのです……。
私の職業的には酒場に居るのはむしろ普通のことなのでは?
ここ、シオーネさんの職場なのでは?!
とか、真面目な顔で曰ったら、酒を飲んで仕事をするんじゃねー! 素面でやれ! って顔見知りのお客さんに総突っ込みされました……。
解せぬ……酔っているときのほうがいつも盛り上がっている気がするのに……。
ふむ、とりあえず今日はこんな感じでいいんじゃないですかね?
だって、もうなんだか酔いが回って眠たくなってきたので……。
あ、酒場のお姉さんいつもの毛布と寝起きに飲む水をお願いします……。
えぇ? ここは宿屋じゃないって? いいじゃないですか、常連なんですから……。
うぅ~ん、しかし、明日はなんの弾き語りをしましょうかねぇ。
さすがにそろそろネタが尽きてきたのです……。
ハッ! そこの新米っぽい冒険者諸君?! なに?? 君ら討伐依頼から全滅寸前で戻って来たって?!
詳しく! 詳しく話すのです! いやぁー、大変でしたねぇ。今夜は私の! シオーネさんの奢りです!
たんと飲むのです! 嫌なことも誰になにを語ったかも全て忘れるほど飲むのです!!
ふふっ……今夜は長くなりそうですねぇ! お姉さん! お酒色々追加で!!
今夜のお酒(奢り分は含まないモノとする)
サントルーブルー(麦酒)(度数5):一杯
キックスイの純米酒(度数15):三本
おつまみ
ハンバーグ、冷や奴、青菜の炒め物、〆のオムライス
連続飲酒日数:二日目
ゲット! 弾き語りの種ゲットなのです!!
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