着付け教室レポート その1


 さて、自分が納得して行くことを決めた着付け教室。

 その初回にして学んだことは。


 六 月 に 袷 の 着 物 は 無 理 !!!!


 でした。

 初歩の初歩。暑くて着てらんない問題。名古屋帯どうこうの前の問題です。

 結論からしますと、件の墨色小紋は秋まで封印となりました。

 だって、あっつかったんだもん!

 さいわい、お姑さんの着物の中に絽の薄物がありました。そして私は夏用の麻の長襦袢を入手してました。

 ええ、これ着たらひとえなんて着れませんでしたよー。

 先生には、


「季節の先取りはお洒落とされていますから、七月近くなったら薄物は問題ないですよ」


 と、微笑まれました。が。


「でも、できたら帯と帯揚げ、帯締めも夏物にそろえていった方が良いですね」


 という抜かりないアドバイスもいただきました。

 この時の私は、暑さのことで頭がいっぱいで、そこまで気がまわってなかったんですね。

 とはいえ、盛夏にはまだなっていなかったので、ガッツリ夏物にそろえなくても大丈夫な感じでしたが。

 ただ帯は、リサイクルショップでとても良い感じの絽の名古屋帯を購入してしまいました~。黄色みの強いクリーム色に紫の模様が入っていて、可愛くてつい。

 そして夏物の帯が安かったのです。というか、夏物はリサイクルで何故か妙に安い? 着る人がいないから? 名古屋帯なんかでも千円~三千円で売ってたりするんですよ。

 まぁ、リサイクル着物って本当にお買い得値段で、時々びっくりするような着物や帯が、とんでもない値段で売ってたりするんですけどね。

 で、この帯、柄がなく織が縦に入っている帯でした。これが練習用にとっても都合が良かったんです!

 柄がある帯って、柄がちゃんと出る位置に調節しなくちゃならなかったりします。

 初心者ですから、ただでさえ結ぶだけでも苦労するのに、そこまでできません。でもこの帯は、そちらのことは気にせずお太鼓の形を整えることに注視すればよかった。練習するには有難い帯でした。

 帯締め、帯揚げはお姑さんの小物入れの中にちゃんとありました。薄物の長着があるんだから、あるだろうとは予想してたんですけどね。


 そんなわけで、私は夏の間、ずっとこの薄物の着物でお太鼓結びの練習をしてました。

 ちなみに薄物の着物は、瑠璃色の生地に白く小花と露草が染め抜きされていて、薄く草花に若草色と薄紅色が色づけされた素敵小紋。

 そりゃもう、何度も着ました! 綺麗に着られるようになりたくて!!

 私が先生に教えていただいたのは、長襦袢の着方、長着の着方、それから名古屋帯でのお太鼓結び。

 基本的なことでしたが、細かい指導は着付け教室ならではの分かりやすさ。

 そして先生はクリップを使ったお太鼓結びを推奨されており、その理由が「このやり方の方が帯を痛めないと思っているから」ということだったので、なかなか勉強になるものでした。

 着付け教室の先生はかなり実生活で着物を着ることを想定しているようで、コーリンベルトを使う等、着崩れしにくい着付けを初心者にビシバシ叩き込んでくださった。

 私が先生に教えてもらったことの一つに、


「着物を洗濯する時は、ドライや優しめの設定にする事と、脱水をし過ぎない事。

 脱水は着物を痛めるし、それに水が滴るくらいで干せば、水の重みで生地が下に真っ直ぐになりますから、シワができにくくなりますよ」


 というものがあって。成る程、合理的だと感心しました。

 ちなみに洗濯は晴れた日にする事。干すのは短時間、後は室内で二日間くらい陰干ししてしまう事。と、教わりました。

 うぅ~ん、実用的。私がこの教室に通い続けている理由は、先生のこうした姿勢がとても好きだからなのでしょう。

 ちなみに。

 帯を締める過程で、帯枕をのせる土台のところを作るってところ(分かりにくくてすみません~。でも背中の中心に手をもっていかなきゃならない過程があるんですよ)の先生の指導。


「背中を丸めたら、背中の帯が遠くなるんですよ。シャキッと背筋伸ばす! ほら背中に手を回して、こう両手の甲をあわせてごらんなさいな。

 あら、固いわねぇ。肩こり酷いのじゃない? 健康にもいいし、着付けで腕がつってもこまるから、毎日手を後ろに回して背中をなぞってみなさいな」


 時たまヨガ教室になっているという不思議。

 でもお太鼓結びで後ろに手を回していたら、手がつりそうになったっていうのは、初心者あるあるだと思う。柔軟性、大切ですね!

 先生の指導のおかげで、今じゃ肩甲骨のあたりで両手の甲をあわせられるようになりました!

 ……………着付けの腕じゃないところばかりが伸びてゆくぅ。

 もちろん今でもビシバシ指導されております。覚えが悪い生徒でほんとごめんなさい、先生。

 と、こんな着付け教室に通ってます、というレポートでした。 










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