異星創造史

白川津 中々

生物の誕生と繁栄

聖書 序章

 神は言った。


「光あれ」


 と。

 


 天地創造せし主は遙なる楽園より来たりてまず草花。次に魚、獣を作られ、最後に獣人と我ら人間を作られた。侍者の天使は「優れた方に地上を与えられん」と述べ、人と獣人を競わせ争わせたが、獣人の獰猛さと冷酷さに人間はなす術なく果てゆくばかりであった。慈悲深き神はそれを嘆き、獣人の楽園を作られ地上を人間に与えくださった。曰く、「万物満ち満ちて万象に幸あれ」


 原初の人間は偉大なる神に感謝し跪いて崇めた。今に通ずる祈りの形だけは我らが主から与えられたものではなく人間が得た数少ない美徳の一つである。主への敬いと礼こそが人間が持つ真の心の一つであり幸福への道となる。故に礼拝は生と命を尊ぶ最も清い行なれば、邪や悪の付け入る隙などない。

 偽りなき心で日に三度主への祈りを捧げ天を仰げば、その者、幸福也。

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