第97話 設定、専門用語他1

※本編は次章準備のためお休みですが

 SSV! では毎度お馴染み、読む分には知らなくても

 ほぼほぼ影響のない、作者用に作ってある世界感他の設定です。


 読み飛ばしても影響は無い様に書いているのですけれど

 こんなの書いてる暇があったら本編の続き書けよ!

 などと思いつつ、一緒に楽しんで頂けたらと思います。 

 実際には体裁整える必要はあるにしろ

 本編よりだいぶ前にできあがってるのですが。


 ※今回も多くなったので二週にわけます。

  今回も1は基本的に人物、世界感編、来週の2がBA編です。


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アフリカ軍団技術科准7級技士 / 特務隊ルビィズ身柄預り

ナミブITS クレセント教導小隊パイロット見習い 

如月・ロスマンズ特務士長



 見た目はほぼ変わらないが、補給物資の中に彼の制服もあったようで

 ローラ着任の次の日から、一部の縁取りがブライトレッドになり

 腕章では無く、腕にルビィズマークの付いた上着になっている。

 但し階級章は地上軍の准尉、所属章もアフリカ軍団/技術科のまま。


 卓越した操縦センスを認められたのはいいが、お陰で専用機CP612は

 優秀な技術官が設計し、有能なメカマンが実装する。

 と言う最悪のコンビに好き放題弄られている。


 実験動物扱いだとして不満を漏らしているが、ナミブ配備のe2Dの

 制御ロジックが毎日のようにアップデートされていくのは彼のお陰。

 ナミブ配備機から約一週間のラグをおいてアフリカ軍団e2系のみ

 ならず、地球上に配備されたe系アールブ全機の制御ソフトも

 アップデートされる。



 昔、アルバイトで観葉植物をいじっていたことがあるらしく

 ここ暫くは、後部テラスの観葉植物を収めた温室の管理人でもある。


 ローラに関しては一貫して同情的であったのだが、何故だか

 その彼女から 決闘 を申し込まれることに。



特務隊ルビィズ / ナミブITS隊長 兼 クレセント教導小隊長

エマニュエル・クレセント特務少佐


 今回は裏方として如月とローラの動向に気を揉む、損な役回り。

 ローラ着任の次の日から、ダークレッドの一般女性オフィサーのスカートから

 ブライトレッドのスカートになった。

 通常、ルビィズの制帽はベレー帽だが、ローラも含め基本は無帽。

 演習中などににブリッジに居るときは、ナミブのアポロキャップを

 被っているときもある。

 今章では愛機、RB037と共に久しぶりに実戦参加。

 



特務隊ルビィズ / ナミブITS

アウローラ・ハーベイ特務少尉 (特尉・ローラ・レディ)

 ルビィズ所属のエースパイロットで大尉相当官だが、作戦立案や

 行動評価に対しての造詣も深く、発言力は階級章以上に高い。


 かなり明るいベージュの髪に細面、小柄で華奢に見える少女。

 実際に如月よりも完全に目線一つ分背が低い。一人称はボク。

 大きな吊り目がちの瞳は淡いスカイブルー。

 肌の色はマニィよりもさらに白く、やや病弱な風にも見える。

 身長以外、ほぼ全てのスペックで如月を大幅に上回る。


 比喩表現に拘りがあるようだが、知識以外では理解が及んでいない様で

 あまり自分からは使わない。

 その中で使い方が理解できた 経験値 がこのところの口癖。

 如月には サボテン と揶揄されたが、それはそれで気に入っている様子。


 

 言動はまさにスーパー上から少女であり、その態度から

 格納庫では“御令嬢レディ”などと言うあだ名をつけられてしまった。

 ナミブ艦内のおっさん層に“お嬢さん”、で通っているマニィとは

 言葉はさして変わらないが、意味合いでは雲泥の差がある。


 エキセントリックな言動が取り沙汰される事も多いが、本人の性格は

 マニィよりも数段、真面目よりで地味。

 そうは見えないが実はわりと話好き。性格的には結構内向き。

 

 上から目線に見える話し方は半分以上わざと。実際には如月が気がついた通り

 高級士官に見える様なしゃべり方のテンプレートをなぞっているに過ぎない。

 人との距離感を図りかねているが、特務隊も階級も気にしない如月との

 コミュニケーションはそれなりにスムーズ。


 マニィは直接の先輩、階級上の上官にあたるだけでなく、

 同じくデザインドでもあり、特務隊内部の系統的にも直属の上司。

 ナミブでは、演習の後にブリッジのマニィの隣に彼女の席が増設された。

 (如月はブリッジではマニィの後ろに立つのが基本。席はあるのだが

 立場は技術系の補助要員なので、場所は格納庫である)


 特務隊配属直後から政治的にも頭角を現し、デザインドのあり方を示した

 マニィの事を『センパイ』と呼び、リスペクトを隠さない。

 但し、マニィ本人は嫌いではない。と言いつつ少々持て余し気味で

 彼女にしては珍しく、仕事以外のことは如月に丸投げして逃げている。


 実はマニィを超える“性能”を見せる、新共和史上最高の『デザインド』であり

 近年でも最大の成果が上がった『強化人間リーンフォーサー』でもある。

 という特殊な存在。



 BAの操縦に関しても、前線に出てまだ浅いのだが、

 撃墜率はルビィズだけで無く全軍でトップレベル。

 最新鋭のタイプ7rを優先的に支給されているのもそれが理由。


 見た目にそぐわず格闘技でも能力を発揮し、ナミブ陸戦隊の

 先任曹長をなにもさせずに、掌底一撃でのしてしまっている。


 作中で、如月に突っ込まれた“打ち合わせ”については、

 緊急事態時の軍規運用や、用意もなくいきなり大気圏突入と

 なった場合の外部からの運用支援、落着後の組織運用など

 パイロット保護を主眼に置いた意見陳述や技術的観点からの助言、

 個人的感想を求められたもので、本人の言う通りに

 文字通りの打ち合わせだった。


 ちなみにそれ以前のマニィの同席を許された(もしくは求められた)

 “打ち合わせ”については、ほぼ聴聞会や査問会の様相を呈しており

 如月の想像通りに事実上怒られていた模様。


 如月と話しているとき以外、あまり感情の見えない彼女ではあるが、

 特殊専用機CP612を駆る如月には多少、ライバル意識があるようだ。

 今回の“チャレンジ”については、敵襲で勝ち負け付かず。

 もっとも本人は、回避行動を取らざるを得なかった時点で実質負けだ。

 と考えている模様。


 実際に受けた狙撃は2回とも如月の言う、――飛ぶのを止める。 以外には

 かわしようが無かったらしい。

 


特技専 旗艦ナミブ BA中隊第1小隊

カヌテ中尉


 ES112を駆り、特技専ナミブBA隊のみならず

 地元アフリカを代表するエースパイロットである。


 見た目は二〇代中盤、浅黒い肌に白い歯が輝くさわやか好青年。

 やや遠視気味で、BAに乗っていないときは眼鏡をかけていることも多い。

 ※BA搭載のモニターは、多少の視力低下なら補正してしまうため

  搭乗時は眼鏡等の視力矯正はいらなくなる。

 

 地上軍の戦闘機パイロットだったが、アールブⅡex/e 地上型試験機の

 テストパイロットとして一気に頭角をあらわし、アールブⅡ砂漠仕様では

 現在アフリカ方面軍全体で撃墜数トップ。

 新共和地上軍最強パイロットの一角であり、敵味方の双方から

 敬意と畏怖を込めて『人形師パペットマスター』と呼ばれるBA乗りの一人。


 尾翼にコブラのパーソナルマークが書き込まれ『アフリカの毒蛇』と言えば

 名前を知らずとも、新共和地上軍では知らない者の無い有名なパイロットである。


 パーソナルマークの付いた機体は、アフリカ軍団全体でも

 数機しか無く、これは上層部も認めたエースのみの特権。


 如月はマニィの機体をみて、一人戦闘隊ワンマンアーミーの陰口も知っているため、

 機体のマーキングや待遇をみても

 ――出来る人はそんなもんか。

 と思っているが、彼もまた頭抜けたエースパイロットの一角。


 こと重力下、砂漠地帯での戦闘に限れば利き腕を失う前のマニィよりも

 強いのではないか、とその本人に言わせる腕を持つ。

 何故だか如月に目をかけ、結構面倒をみてくれている。

 如月本人もアールブの操縦以外でも色々相談しているようで、

 マニィ以外のもう1人の師匠であり、頼れるアニキでもある。


特技専 旗艦ナミブ BA中隊長 兼 第1小隊長

サロン大尉

 ナミブBA中隊長兼、BA第一小隊長。ES111パイロット。

 地上軍のエース、カヌテが全幅の信頼をおく四〇代のシブい親父。

 戦術理解や運用、現場での指揮に関しては地上軍全体でも

 五指に入る優秀な現場指揮官。


 もともとはユーロの所属で、スペンサー司令が特技専結成時に

 メカチーフや艦長と共に一本釣りした特技専の重要人物の一人。

 ナミブには無いが戦闘機や輸送機、ヘリコプターまで

 空を飛ぶ機械はあらかた飛ばせるという、天才パイロットでもある。


 如月に対しては、そもそも彼我の立場が微妙なこともあるが

 自身の息子と年も近く、必要以上に嫌われたくないので、

 距離感を図りかね、あえて事務的に接している面が大きく

 如月の印象よりも、本来はだいぶ砕けた人物でもある。


 如月の中では司令と並んで、怒らせるとヤバいおっさんの一人。

 BAバトルアーマー部隊を預かる中隊長なので立場上厳しくもあるが、

 実際には如月が思っているほどに恐い人でも無い。

 


特技専 旗艦ナミブ BA中隊第1小隊

ES113パイロット アバテ中尉

 ナミブのBA第1小隊3番機、ES113のパイロット。

 カヌテ中尉との比較になる為、どうしても相対評価は低くなりがちだが

 BAパイロットとしてはかなり高い技量を持つ。

 攻撃が集中するカヌテ機を援護する動きに徹しており

 カヌテ自身も評価の半分は彼のものだ、と公言して憚らない。


ナミブ陸戦隊 機動歩兵隊 第一分隊長

サレ曹長

 

 あまり数が多くないナミブ所属歩兵隊の現場指揮官。


 発掘作業から戦闘まで、任務は多岐にわたるのに数はそう多くない

 ナミブ所属の歩兵隊のなかでも、切り込み部隊的役割を担う

 第一分隊の隊長。 

 アフリカ方面軍強襲機動旅団第一大隊に所属し

 数々の修羅場をくぐったベテラン歩兵。


 艦長がナミブに異動になった時に、曹長と希望する部下全員を

 まとめて引き抜き そのまま第一分隊としている。

 如月が、――良い人代表、と言う通りに、普段は物静かな人物。


 実は軍隊格闘に関しては師範の資格を持つ実力者。

 ローラとの立ち合いも、相手が女の子である上に一応上官なので

 暴言の過ぎる上官に対して、様子見でいったんいなそうとしたものの、

 彼女の踏み込みが想像以上で、急所にまともに喰らってしまった。


 ――階級章が動きを躊躇させた結果だ、曹長にボクが勝てる道理は無い。

 とは後のローラの評。



特技専 ナミブ独立戦術飛行隊

(ナミブITS Namib Independent Tactical Squadron)


 RB037、同041、CP612の三機からなるBA部隊。

 パイロット3名の圧倒的な技量で成り立つ部隊で、マニィが

 部隊長として直接指揮を執る部隊。

 

 系統上は特技専司令直轄部隊だが、司令が指揮下に入るよう

 命令しないかぎりは事実上の員数外で、戦闘時であっても

 コンディション5以外ではマニィの独断で状況に介入できる権限を持つ。

 今回の模擬戦が実施できたのも、ITSにこの権限が付与されているせい。

 司令個人の腹積もりとして、修理の間はスタッフの休養に当てたかったようだが

 クルーが面白がっているのを見てむしろ士気が上がると判断、方針を転換した。


 下部組織にクレセント教導小隊があり、この小隊長も名前の通りにマニィ。

 CP612の機体ナンバーはクレセント教導第一小隊2番機を示し、

 ESナンバーをつけるナミブBA隊や、他の戦闘隊とは別系統に

 属していることを示す。


 専属メカニックなどはおかず、整備もナミブ所属の他の機体との

 優劣はつけずに、運用に即して順次整備をすることになっているが

 メカニックはどの機体よりRB037マニィせんようきだけは優先する。


 メンバーは各機パイロットであるマニィ、ローラ、如月の三名のみ。

 現地結成の非公式部隊ではあるが、全員がルビィズのワッペンを

 左腕につけたエリート部隊でもある。


 これまで戦術データ上ではマニィが、如月と自分の機体については

 【Ind. Tactical Air corps】

 の表示を作って略称も【ITA】として表示をさせていたが、

 公式部隊に格上げになり表示も

 【Ind. Tactical Squadron】

 に変更、略称も【ITS】に変わった。


 これは地上軍の戦闘機隊の流れを汲む部隊が【Squadron】の

 呼称を使っているを知っていたマニィが、あえて

 【Air corps】の呼称を使っていたから。

 単純に呼称が変わっただけで無く、カヌテ以下のナミブの

 飛行機乗りたちにマニィが認められた、と言う事でもある。


 ※宇宙軍では空間戦闘機の戦闘隊やBA大隊等の表示名は

  単に【SF Corps】や【BA Corps】とするのが一般的。

  区別の必要のある場合は部隊ナンバーや隊長名を付け足す。




新協和防衛軍 防衛局付特別任務遂行隊 (ルビィズ)

 真っ赤な制服に身を包んだ、定数50のエリート集団。

 防衛局長直轄部隊として、特殊任務や膠着した戦線に送り込まれる。

 所属するのは全員士官で権限は最低で大尉相当。

 部隊全員が高級士官同等の知識と技能を持ち、部隊指揮はもちろん

 潜入調査や人質奪還、戦闘機やBAの操縦はもちろん、整備までできる、

 ある意味、究極のなんでも屋集団でもある。

 

 一人で一個小隊同等。状況によっては一個中隊を凌駕するとされ

 権力と戦闘力を併せ持つことから 一人戦闘隊ワンマンアーミー などと

 揶揄されることも。


 人数は少ないが、新協和防衛軍の宇宙軍にあたる環地球軌道軍、

 地球上すべてを管轄とする地上軍に次ぐ、第三軍の位置付の組織。

 防衛局長直轄部隊として局長の意思通りに動かせる唯一の部隊。

 階級は特務○○と呼称し、2階級上の権限を保有する。

 但し、特務中佐と特務大佐については准将相当官となる。


 他二軍の参謀長にあたる総隊長は上級特務大佐であり

 軍内部では少将相当官だが立場的にも三人目の参謀長であり

 事実上、大将同等の権限を有する。


 大型航宙機動空母ルナ・シー級二番艦

 『ザ・シー・オブ・クワイリティ』

 を旗艦とし、その他ルビィズ専用航宙巡洋空母ヒマラヤ級の

 ヒマラヤ、カラコルム、テンシャンの三隻のほか駆逐艦五隻、

 BA四六機、宙間戦闘機三〇機、コロニー内仕様の

 装脚戦車二五両などを専用装備として持つが、それらすべてが

 ブライトレッドに塗装されている。


 イメージに反して激戦区に頻繁に投入され、包囲突破の先陣を切ったり

 撤退戦の殿しんがりを務めたりするのが普通の運用。

 人的消耗もイメージより数段激しい部隊。


 通称の由来は宝石のルビー。

 その真っ赤な制服と、同色の装備品から

 

 部隊、装備の維持、運用のために尉官まで含め約1,800名が

 軌道軍から出向しているが、軌道軍所属のままで階級もそのまま。

 服装は初期の如月と同じく、一般の軍装にルビィズの腕章のみ。


 如月の『特務士長』は准尉相当官とされているが、公的には中尉相当官

 であり、ルビィズ内ではほぼ全ての出向者より上にあたる。

 数は少ないが本部在籍者には、如月と同じ階級である

 特務士長が一定数在籍している。

  



デザインド

 デザインド・チルドレンの略称。

 計測される全てが優秀な数値であることを目指して、遺伝子レベルで

 デザインされて“生産”された人間。

 93%強の確率で“普通の人間”になることが知られているが

 何故そうなるのか、原因は不明。


 逆に確率は0.2%を切るが、設計値をはるかに超えた能力を

 持つものが生まれる場合もある。

 マニィ、ローラは双方そのごくわずかな例で、同陣営の同時代

 に二人、しかも双方軍に在籍している。というのは非常に珍しい。


 倫理的問題に鑑み各陣営、公式には研究を休止している建て前に

 なってはいるが、全世界で毎年1000人前後が生産されている。


 しかし生誕率は30%を切り、その上誕生直後はほぼ全員

 免疫系に問題を抱えるため、乳幼児期は異常に身体が弱く

 二歳を越えることができるのは10%以下。

 さらに五歳を超えて教育を施すことができるのは、その三割と言われる。


 さらに遺伝的弊害は全て取り除いているはずなのに平均寿命は

 37.4歳で、確認出来る限り五〇歳を越えた個体はない。

 自然生殖が可能か、その場合できた子供は遺伝学上どうなるのか

 などについても結論が出ていないなど、公式な研究が

 阻害されているため、実用化されてだいぶ経つわりには謎の多い技術。


 新共和域内では、マニィやローラのように軍に配属される例は実は少なく

 通常は研究者や、他の国では大臣にあたる各局局長の専任補佐官として

 一生を送る場合が多い。


 また、「使用用途」に特化して作られるものもあるというが、何に

 使うのかはもちろん役に立つのか、と言う部分まで含めて不明。


 実は旧時代からの技術でほぼ理論が継承できている希有な例ではあるが

 当時のデータが一切残っていないので、かつての生産数やその仕様など

 フィードバックは一切無いことが研究の遅れに繋がっている。



リーンフォーサー

 異常なまでの筋力や桁外れの反応速度などを持つ、いわゆる強化人間。

 薬物投与や外科的手術、洗脳等、ありとあらゆる手を尽くして

 人間の限界を超えることを目指して、非人道的な実験を繰り返し作られる。

 実は“大消滅の日”以降に確立した技術で過去にはこれに類する理論はない。


 当然ながら実験自体があらゆる国家の法律において非合法であり、

 公式には作成されていない事になっているが、ローラを始めとする

 成功例は陣営問わず年間何例かある。


 強化に成功した場合はそのまま軍へと投入され、使い潰されることが多い。

 身体能力のみならず、記憶力や思考力を強化されることもあるらしいが、

 いずれの場合も歴史の表舞台に立つことはまず無いのが普通で

 特殊部署とは言え正規の軍籍、しかも士官であるローラは

 かなり特殊な事例。


 毎年、世界規模では2~300人が実験の犠牲になっていると見られるが、

 成功例はほんの1%以下、失敗した場合は当然命に関わる事態となる。

 通常は素体に貴重なデザインドを使うことは無い。



 デザインドであり、リーンフォーサーでもあるローラは世界でも

 珍しい存在だが、実は薬物を手放すことができない。と言う

 重大な問題点がある。


 今回、特技専に応援として配属されたのも、マニィは始めから

 詳細に事情を知っているため、彼女のもとなら送っても良かろう。

 と言う判断が成されたもの。


 さらに軍事に特化した教育を施したため、一般社会への適応に

 若干の問題を残していたが、あまりルビィズに対して抵抗のない

 ナミブに配属され、乗組員とふれあうことで若干改善の兆しがある。

 ※特に軌道軍ではルビィズに対する特別扱いの度合いが上がるため

  彼女の人格形成に悪影響がある、と複数人から意見が出ていた。

 


 また、ローラについては決して少なくない問題を抱えながらも、

 まともに受け答えができる希少な成功例、として研究者間で注目を浴びている。


 それは、一般に成功とされる事例においても、出来上がるのは

 あくまでヒトの形をした何かであり、人間の尊厳はほぼ残っていない

 ことが多いから、にほかならない。

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