ここだけの昭和世間話『恋とハナと超能力』
御堂智貴
第1話① 恋愛相談、顔が嫌いな人と付き合えますか?
『恋とハナと超能力』 御堂修作
少し、少し昔のこと。若者がみんな、ラジオに熱中していた昭和という時代があった。その頃のラジオのパーソナリティーと言ったら、すごい人気で週刊誌に写真入りで取り上げられるほどだった。そんな人気のパーソナリティーの一人に、DJ
宏美のヘッドホーンに
「本番行きます。5、4、3、2、1!」
と、ディレクターの声の後、軽快なBGMが流れるなか、スタジオマイクのスイッチを入れた宏美は声を上げた。
「宏美のプラネットナイト! 今晩は! 宏美のプラネットナイトの時間です。今夜もリスナーのみなさまからいただいたお葉書を読みながら今注目のアーチストの曲やリクエスト曲をバンバンかけていきますから楽しみにして下さいね」
そう言うと宏美は、いつものようにスタジオの机の上に置いてある視聴者からのハガキを手に取った。
「では一番最初のお葉書です。横浜市ペンネーム、港のヨーコさんからのお葉書です。ええと、
『宏美さん、今晩は』
今晩は!
『いつも楽しく放送を聞かせてもらってます』
ありがとうございます。
『今日は私の恋いの相談にのってください』
まあ、いきなり恋の相談ねえ。責任重大だわ。私に答えられるかな。えーと…
『実は、私には半年前からつき合っている彼氏がいて、この前のデートの帰り、彼からプロポーズをされたのです』
まあ、よかったじゃない!
『ふつうなら喜んでOKするのかもしれませんが、私は急なことなので、少し考えさしてくださいと、言って家に帰りました』
え? どうしてかしら、なになに…
『なぜ私が、すぐにOKと言えなかったかというと、彼は、とてもいい人なので性格は好きなんですが、顔が大嫌いなんです。全然私の好みじゃないのです!』
えっ!! 」
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