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「だがいつも追い返される。どうしたらよいのだ。どうしたらお前みたいに咲耶姫を笑顔にできるのだ。」


火の神様はギロリと私を睨んだ。まわりの温度がまた少し上昇したような気がする。


ていうか!

ていうかだよ!

やっぱり火の神様も咲耶姫様のことが好きなんじゃないかというこの発言に、私の胸はムズムズした。

これはもう、言っちゃってもいいよね?

いいよね?


「あー、火の神様、なんと申し上げたらいいのか、お二人はすれ違っていらっしゃいます。」


「なんだと!?」


「咲耶姫様は、火の神様が本当にお見舞いに来てると思ってますよ。」


「なぜ見舞いなのだ。どこか悪いのか?」


いやいや、火の神様が自分で“見舞いだ”って言ってたじゃないですか!というツッコミはさすがに自重した。言ったら益々燃え盛る気がする。ただでさえ今、汗がじわりと滲んできているというのに。


私は恐る恐る聞く。


「咲耶姫様の痣を気にされてるわけではないのですか?」


「痣?それは気にしている。俺のせいでああなってしまったからな。」


火の神様は険しい顔をしながら私の横にどっかりと腰をおろした。そして大きなため息をつく。


「…どういうことですか?」


確か山火事で火傷をおったと言っていた。山を守れなかったとつらそうにしていた。そして、あとから駆けつけてきた火の神様に、不甲斐ないと言われたんじゃなかったっけ?それで咲耶姫様は傷付いて火の神様とも恋人を解消して…みたいな話だったような?

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