第6話 厳しい現実
そう僕の髪は黒くて、瞳の色も黒かったんだ。
…お気付きでしょう、そうです。小さかった頃の広山海斗です!そのまんまです!
くそがぁぁぁああああああああああああああ!!
あぁそうだよ!僕はぜんっぜんイケメンじゃなかったですよ!おかしいでしょ!おかしいと言えぇ!!あんのくそ女神がぁぁぁぁあ!!!
このままじゃ、生前の二の舞だよ!運命は変えられなかったんだよ!あぁぁぁ!!あぁぁぁぁあああああ!!!
…とか思った時期もありました。まぁ、よくよく考えたら女神様は全く嘘などついていたわけじゃなくて、僕が勝手に期待していただけだからね。厳しいこの現実に打ちひしがれていただけさ。納得したのかって?してると思う?とむしろ訊きたい(真顔)
「はい、これで髪の毛のしっかり拭き取れたわね!」
「うん、ありがと。マリア姉ちゃん」
「フフフ、素直なのはいいことよ!」
「痛かったけどね(ボソッ)」
「あぁん?」
「優しい姉ちゃんがいて僕はシアワセダナーー」
「気に入らないけど、まぁいいわ!」
「お姉ちゃんの相手もしてほしいわぁ~」
体も拭き終わって服も着替えた僕だが、実はさっきの姉さんたちのことで訂正しないといけないことがる。それはエミリア姉さんだ。喜べ諸君、あったんだ、小山があったんだよ…
「もちろんさ!姉さん!ぎゅーーっ!」
「甘えんぼさんねぇ~、うふふ」(むぎゅ~返し)
「///」
「むぅぅう」
素晴らしい。この膨らみ未来を感じるぜ…(イケボ)
「あなたたち~、ごはんの準備を手伝ってね~~」
「ほらっ!行くわよ!」
ゴチン!
「いったいなぁ!何度も殴らないでよ!」
「知らないっ!」
「マリアはカイトのことが大好きだもんね~」
「~~~!!!お姉ちゃん!」
「きゃあ!カイト~~、エミリアが怒ったわぁ」
「怖いね~~」
「ね~~~?」
「もう!もう!もうもう!」
「こら、あなたたち!春もだいぶたったけど夜は寒いの、冷えるでしょ!早く中に入りなさい!」
「「「はーい」」」
そして、なんでこんなにもうちの家族たちと顔の造形、髪色などなど見た目に関してまるで違うかってのは、簡単話で、僕は捨て子だったらしい。
いつも通りお父様の森の平和維持活動中に発見されたそうだ。そこには”カイト”と書かれたメモと布にくるまれた僕だけが入っていたそうだ。よく魔物跋扈するあの森で生きてたなぁって自分自身思うけど、そこは僕が幸運だったのかなって思うことにした。考えても全然わからないからね!で、あの森で生き残っていた強運の持ち主である僕をなんて縁起がいいんだって言って今のお父様が引き取ってくれたのさ。今でこそ黒髪黒目の僕に村のみんなも慣れたらしいけど、引き取った当時は得体のしれない災厄の子だ!とか言われてたらしい。まぁ、何にも起こらなかったから村の人も「何も起きないみたいだし、別に何でもよくね?」ってなったらしい。狭量というべきかおおらかというべきかね?
「おーい、帰ったぞ~~」
「「「おかえりなさーい」」」
「おぉ、我が子たちよぉ!今日もいい子にしてたかな?」
「もちろんだよ!」
「お勉強頑張ってきたわ!」
「はい、お父様」
「おう、そうかそうか!みんな偉いぞ!」
と言いながら僕たちをまとめてわちゃわちゃしてくる父さま。
「「「わーーー!」」」
「あなた、お帰りなさい、もうすぐご飯ができるわ」
「ただいま、母さん。ちょっと水浴びしたらいただこうかな」
「はい、わかりました。ほらみんな準備を手伝って?」
「「「はーい」」」
こんな感じで僕は今転生したこの世界で優しい家族に囲まれて平和な日常を謳歌してるわけさ!
…みんなが起きている間はね?
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