第49話 K先生が好き
同じ時間帯にそこにいっても
K先生を見かけることはなかった
それでもいるかもって探してしまう私
そんな時に母は体調を崩し検査入院
2週間の入院生活に学校と塾
1人の夕食は悲しすぎる…
先生に会いに行きたい気持ちさえ薄れてた
なんとか体調も戻ってくれて
家に戻ってきてくれたお母さん
国立に行って楽させてあげたい
その気持ちは一層強くなった
そして学年も終わる3月
やっとK先生に会いにいけるタイミング
運悪く先生がいない日だったらどうしようとか
不安ばっかり先行してしまう
でも今日しかない!
放課後急いで学校に向かった
体育館からはバスケ部の音
教務室にドアをそっと開ける
誰もいない…
体育館の方に周り遠目から確認しても
K先生はいなかった
もしかして帰っちゃった?
急いで職員室にいく
K先生の座ってる席は死角になってて
入り口からは見えにくい
職員室の先生たちもほぼいない
近ずくと机で何かしてるK先生が見えた
なんだかどうしたらいいかわからなくて
だるまさんがころんだみたいに
ゆっくり近づいてK先生の至近距離に
「〇〇、来てたのか?」
「来ちゃった」
「また大人っぽくなったね」
「隣座ってて」
「お茶いれてくるよ」
そう言いながら立ち上がるK先生
めちゃくちゃ優しい
先生の机の上には生徒名簿?
点数がでてる一覧みたいなものが置いてある
「今成績をつけてる」
「そうなんだ!」
私も先生に見せたくてテストを持ってきたので
それを出そうとバックを膝の上に乗っける
お茶を持ってきてくれた先生
「どうした?」
そういいながら斜め後ろに立っていた
テストのプリントを出すと
「へぇー難しいことやってるよね」
とかいいながら
先生との距離が近すぎてドキドキしかしない
話したいことたくさんあったのに
ドキドキが凄すぎて飛んでしまった
「すごいね!がんばってるね」
「うん。がんばってる」
K先生には不思議なことに素直な私になれる
「学校は楽しい?」
「うん…」それはさすがに嘘をついた
「バイトも始めて塾も行き始めたよ」
「それは忙しいね」
「うん。でも頑張って先生の後輩になりたい」
そんなこと話すつもりもなかったのに
ペラペラとしゃべってしまった…
「それは嬉しいな。頑張って」
「はい!」
顔が真っ赤になるのがわかった
恥ずかしすぎて耐えられない
「あ、ちょっとトイレ行ってきます」
本当は全然行きたくなかったけど
赤い顔を見られるのは恥ずかしい
耳まで真っ赤になってる私
そしてふわふわした気持ち
職員室に戻ると身支度してるK先生
ジャケットを羽織るとますますかっこいい
「ごめんね。今日は時間がなくて」
「駅まで一緒に帰ろう」
優しいK先生とずっと一緒にいたかった
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