第35話 地獄時間


どこに連れて行かれるのか

きっと聞いても教えてくれない


だからずっと流れる景色をひたすら見ていた

嫌なことがあったとき

電車に揺られひたすら景色を見ていたこともあった


高速を降りて海の近くを走る車


「海きれいだよなぁ」


先生の手が唐突にスカートの上に

そのままスカートを少しずつあげようとする先生  



「やめてください」


手を振り払おうとすると


「運転してるから危ないって」


太ももの辺りをふれるかふれないか

くらいで撫でてくる


「やめてください…」



「俺が買ってあげた服だからなにしてもいいんだよ?」


「もっとスカート上まで上げて」



「恥ずかしいからだめです…」



振り払おうとすると逆に手を掴まれてしまった


「それとも逆がいい?」


「逆?」


言ってる意味が全然わからない私


その手を先生のところに…


慌てて手を振り払う


「危ないなぁ 事故おこしちゃうよ」


私は悪くないのに

私が悪いみたい



懲りずにまた太ももをすりすりする先生

そのまま足の間に…

「もっと足開いて!」


首を横にふる私



信号が赤になると

私の手を握りながら

「ちゃんといい子にできたらっていったよね?」と笑ってない目



「はい。こうだよ」

両手で足を強引に広げる


「もう少しでつくから、それまでいい子にできるよね」

ニッコリと笑う顔がトラウマでしかなかった


ストッキング越しに指先で優しく撫でたり

カリカリしたり

着くまでの数分の地獄時間


気持ちいいなんてなかった

泣いたら負け

溢れそうになる涙を必死に堪えた






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る