第4話 新品

 皆様も、一度は書き間違いの経験はないだろうか。

この話は、私が中学生の頃の話である。


 ある日、私は新品のノートに記名をしていた。

各教科ごとにノートを一冊ずつ用意し、油性マジックで教科名とクラス、名前を書いていく。


 社会のノートを書いていた際、社会と名字が思いのほか丁寧に書けた為、私は満足した。

そして、名前も無事に書き終え、ホッと胸を撫で下ろした。

綺麗に書けた喜びに浸りながら、私はもう一度、ノートを見た。


「社会 ◯年◯組 名字 社会」


 皆様、お気付きだろうか?

なんと、無意識のうちに


 ここで一つ、皆様にお伝えしよう。

私の名前は社会ではありません。改名もしておりません。


ーー皆様も書き間違いには、ご注意を。


*この後、このノートをどうしたのかは皆様のご想像にお任せします。

そして、この話を知った友人からは「社会さん」とからかわれるのは、また別の話である……。

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