異世界


 ひとりぼっちの月が、夜空で輝いていた。


 深夜なのに煌々と明かりをつけて営業している雑貨店で、私はボトル入りの水を買う。


 行くあてはない。

 釣り銭で渡された銀色の大きな硬貨を握り、途方に暮れた。


 私は自分の世界に帰れるのだろうか。

 相棒のいないこの世界の月は、とても寂しそうに見えた。

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