第22話 持つべきモノは友達


 俺はありのままをドク男に話そうと思った…が…


 (俺が一人で決めていい事なのか?ここは恋愛マスターであるヒカリに相談してから決めたほうが良いのでは!?!?)



 膳は急げだ!と思いドク男にトイレに行ってくると言いその場を離れる

 ダッシュでトイレに行き個室に入り鍵を締め、ヒカリに電話をかけた


 するとワンコールしてすぐに


 「もしもしアキラくん?どうしたのお昼に電話なんて」


  普通の話なら教室に戻って話せば良い…だけど今は一刻を争う


 「あぁごめん実は…」


 先程起こった事をヒカリに伝える…ついでになんでそんな事になった経緯も…つまり俺とミウで一緒に寝たという事を赤裸々に伝えたのだ


 「…」

 「なぁどうすれば良いと思う?」

 「へー一緒にミウちゃんと寝たんだー…ふーん」

 「うっ…まぁそうだけど!あの時ミウは怖い思いしたんだ…とても一人で居る気分じゃなかったはずだ…」

 「まぁそうだけどさ…」


 それに恋愛マスターとしてはこうなって良かったのでは?ヒカリの手助けがあってこそ、ミウを助けられたと言っても過言ではない。今まで恥ずかしかったから言えなっかったけど…俺とミウが少し距離が縮まった事に少しは喜びを感じて欲しかった所ではある…俺はそう思いヒカリに思った事を伝える


 「ヒカリ…いや恋愛マスターのおかげでミウと少し距離が縮まったんだから、こっちとしては感謝したいくらいなんだけどね…」

 「!!!…そうね!まぁそういう事にしといてあげるわ!だから起こった事よりこれからの事を話しましょ!」

 「お、おう!んでどうすればいいと思う?」

 「とりあえずアキラ君一人じゃ心配だから放課後ドク男君家に私も一緒についていくわ!」

 「そ、そうか!とりあえずドク男にはなんて伝えれば良いんだ!?」

 「まだその話は保留にしといて!放課後私が合流してから話をするって事で!」

 「わかった…頼りになるよ!さすが恋愛マスターだな…」

 「そ、その名前は二人っきりの時にしてね?うっかりそんな名前で呼ばれた日には私、学校に行けなくなっちゃうから」

 「そうか…じゃあドク男にはヒカリも一緒に行くって伝える手はずでいいかな?」

 「そうね!それじゃ放課後一緒に帰りましょ」

 「わかった。ありがとうヒカリ」

 「う、うん…」


 少し間があり


「それじゃまた放課後、アキラ君」




 通話が切れた。



 「ふふ…これでドク男にかかった疑いは晴れるはずだ!」


 俺は颯爽とトイレから出てドク男の元へ向かい、ヒカリと一緒に行く事、それからミウとの話は放課後全て話すと言った。そしたらドク男は


「まったくしょうがないでござるなぁ〜アキラ殿は」


 と渋々了承してもらえた。


 これで後は恋愛マスターヒカリがなんとかしてくるはずだ!男女のいざこざ、すれ違いによって生じる友人への相談から発生する好きな人への不信感や疑念の類いのトラブルの相談など日常茶飯事なヒカリにとってこの程度の問題は朝飯前さ!


 これでヒカリにうまくドク男に説明してもらってその後、ドク男から奥義を習得できれば誰にも気づかれずにミウの背中にまわって近づけ…いや守れるってもんだ!



 我ながらなんて策士!天才!超天才!



 これで気配を消していつでもミウの背後にまわれる…そんな事を想像しながら



 「ぐふふっふ…にゅふふ…」


 俺は持つべきモノは友達だなと思いながら教室へと帰って行った。


 隣にいたドク男からは


 「アキラ殿…気持ち悪いでござる…」


 と言われたが気にしない。




 そんなバカな事しか考えれなかった俺はヒカリがドク男の家に着いていくという言葉をすっかり忘れていたのであった…






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