第6話 僕たちの隣人

 ふむ、初めましてと言いましょうか。

 私はあなたたちの隣人です。

 私は常にあなたたちの隣にいます。

 ほう、あなたは天涯孤独であると?

 なるほど、しかし私はあなたの隣人なのです。

 不思議ですか?

 たとえあなたがどこにいようとも、私はあなたの隣人たりうるのです。えでゃ、私がどこに住んでいるかと?

 簡単に言えば、あなたの脳内ですよ。

 今こうしてあなた相手に語り掛けているのも、即ち脳内から。

 どういう意味かと?

 さぁ?

 私は私が生まれた理由を説明できるのですが、しかしながらそれをあなたに説明することはかなわないのです。

 それでは、私の愛しい隣人よ。

 余命をお楽しみくださいな。

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