第21話 「君が君で君だ」

 こんにちは。


 仕事をしながらの映画鑑賞に味をしめて、今日もそうやって仕事を乗り切りました!!


 これでしばらくお休みだーーー!!


 って、これで来週も仕事が来たら多分泣きます、本気で。笑



 さて、昨日観た「岸辺の旅」はカンヌ国際映画祭でやはり、監督賞をとった作品でした。当時話題になっていたのでいつか観たいなぁと思っていたんです。


 だって、深津絵里と浅野忠信ってキャストだけでもう観たいですもん。


 でも、観ている間なんだか落ち着かなくてぞわぞわする映画でした。とはいえ、そう思うのは私だけかもしれませんが。


 3年間行方不明だった夫が突然帰ってきて、2人で旅をするというお話なんです。短編小説を読んでいるような、大人のファンタジーのような、そんな映画でした。

 

 この映画についてあれこれ書こうと思ったんですけど、今日観た「君は君で君だ」の方が私にはインパクトが強かったので、こちらについて書くことにします。


 「君は君で君だ」

 キャストは、池松壮亮、満島真之介、大倉孝二。

 それから、YOUと向井理、高杉真宙。


 ストーリーとしては、ある女の子を好きになり、男3人で向かいのアパートから10年もの間、見守り続けるお話なんです。(10年て!!)


 ……見守るというか、覗き、盗撮・盗聴など犯罪なんですけど。飲みかけのペットボトルを拾ってきたりとか。笑


 しかも、自分を捨てて彼女が好きな尾崎豊、ブラッド・ピット、坂本龍馬に本気でなり切って暮らしているんです。


 最初の方はそれがおかしくてコメディだと思っていました。


 帰宅する彼女を望遠鏡で覗いて、その日に何を持っているか、どこのコンビニの袋か、そんなことを細く伝えあうんです。


そして、その日の夕飯がカップ麺だと分かると「栄養が偏る」と心配して、でも飲み物が「ccレモン」(ggレモンって言ってたかな)だと分かるや否や、「それなら大丈夫だ!」と男たちは喜び合う。ビタミンがとれているからってことなんでしょうけど、私はこのシーンで笑いました。笑


 でも、この映画はコメディではありませんでした。この笑えるものも全て本気なんです。本気で自分を尾崎豊だと思い込んでいるんです。


 途中から、コメディが狂気になってきて、彼女のところに来ている借金取りのチンピラの向井理やYOUがバイオレンスなのに、こちらの方が真っ当な人達に見えてきます。


 ちなみに、彼女はダメ彼氏のせいで借金の為に夜は水商売をしているんですけど、そのダメ彼氏が高杉真宙。


 高杉真宙くんは純朴な青年の役から「渇き」という映画でのチンピラ役、「セトウツミ」の内海とか、どれをやってもいいんですけど、チンピラ役が意外といい。笑(「渇き」は別人みたいでした)


 ストーカー3人はこの彼(高杉真宙)を「王子」と呼び、彼女のことは「姫」と呼ぶ。


 「姫」に立ち入ることはしない。

 ただ、見守っているだけ。


 最初はおもしろストーカー集団だった3人がどんどんカルト宗教みたいに見えてきて、怖くなってくるんです……。彼女の全てを受け入れ自殺しようとする彼女さえもそれでいいと助けようとしなかったり。


 ピュアすぎるが故に狂気を孕むことってあるなぁと思わされた映画でした。


 あっという間。

 それこそが面白かった証拠ですよね。


 キャッチコピーは「この愛は純情か、それとも異常か」です。超純愛エンターテインメントとも書いてありました。確かにエンターテインメント!!


 ネタバレになるところはあまり書いていないと思うので、良かったらオススメです。


 面白くて、狂っていて、でもどんより落ち込まずに観られる映画だと思います。



 尾崎豊の「僕が僕であるために」が頭からしばらく離れません。笑




 

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