イーストウッド国密入国

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 あらすじ:手早く朝食を食べた


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 俺はアリーシャと一緒に行動をしている。アリーシャは、なぜかうれしそうにしているからというのもある。もうウキウキ気分のアリーシャであった。


 あの分厚いドアを越えて、こうして到着した場所は洞窟内だったが、何かがおかしい。そこそこ明るい。

 俺のイメージでは洞窟って暗いイメージなのだが、ダンジョンというのは特殊の場所らしい。


 ちなみに後方にある分厚いドアは、念のために封印を施されている。ダンジョンの中間地点ってことだけど、そんなことをして大丈夫なのだろうか?


 それよりも、この洞窟についてちょっと気になったので、アリーシャに尋ねてみることにした。


「なあアリーシャ、なんでこの洞窟内は明るいんだ?」


「それはねっ! そこの天井に青く光るの見えるでしょ? ヒカリゴケっていうんだよっ!」


 ニコニコ顔で嬉しそうに話すアリーシャ。どうやらこの世界のヒカリゴケは相当明かりを発するらしい。この洞窟周りは、明かりが不要のぐらい明るい。


 ――ふと先頭に居る3人の事が気にかかる。

 もちろんエリナ、アズラック、クレスの三人の事だ。


「なぁ、俺たちも戦わなくてもいいのか?」


「大丈夫だよぉ。あたしたちは殿しんがりらしいよぉ」


 前方ではアズラックとエリナとクレスが出てくる魔獣やモンスターをなぎ払っていく。俺たちの役割は、戦力の分散と後方への警戒のようだ。途中いくつか分岐があったが、クレスは迷わず正しい道を歩いているようだ。


 もし、通らなかった分岐から魔獣が襲ってこないとも限らない。実際何匹かは後ろから襲ってきたので俺たちの手で始末している。後ろからの魔獣を察知するのはアリーシャだ。俺はだいぶ近づいてきたら気が付くこともあるのだが、アリーシャの察知能力には驚かされる。


 それ以外にも秘密はあるのだが、今はやめておこう。


 そうこうしているうちに一階、また一階と俺たちは上っていく。


 道中は特にみるべきところはあまりない。俺たちは潜ってるのではなく、戻ってるという扱いになる。中間地点があったところから見ると、本来は下へ下っていくのが本筋だろう。クレスの話によると、中継地点はダンジョンの地下15階位との事。


 あの小屋の地下に降りる時は地下三階位に感じたんだが、思った以上に上っていく。あまり考えていなかったが、イーストウッド国って意外に高地なのかもしれない。


 そうやって考察する俺の元へ時折、黒い羽の生えた白い猿の魔獣が後ろから襲ってくる。黒い褐色の悪そうな顔に目つきが悪いが、ザ〇キは使ってこない。どうも脳筋肉弾戦タイプのようだ。お得意の爪を振り上げて襲ってくる。


 俺は風の魔法の応用で短剣に風の膜を纏わせる。刃渡り五十センチメートル位が百五十センチ位まで伸びる。


 俺は短剣の周りに具現させた剣のようなもので白い猿に向かって振り上げる。


 白い猿は風の魔法を纏わせている部分が見えていないのか、短剣部分だけ避けようとする。その結果纏っている部分に当たり、切り裂き、絶命する。


 四方から数匹こちらに向かってくるので、俺はスキルを使って一掃することにした。

 猿に向かって走り出し、ちょうど四方囲まれた形になる。


「回転切りっ!」


 コマのように回転しつつ白い猿に向かって切り裂く。スキル使用時に具現化している短剣がライトのように光っていた。


 スキル使用時は射程が伸びるらしく直径五百センチメートル近くまで延びている。その為、俺の範囲に居た白い猿の魔獣は一掃できた。


(よし、これ使えるな!)


 俺は心の中で呟き、鍛える方向性を決めた。魔法を的間瀬具現化して攻撃するスタンス。俗に魔法剣のようなスタンスだ。


 残った数匹もアリーシャが大剣で振り回して一匹ずつ丁寧に切り裂いていく。


 最近になって気が付いたが、アリーシャって戦うときいつの間にか大剣に何らかの魔力をまとわせてることに今気が付いた。見てる限り大剣には軽量化と速度アップの効果もついているようだ。

 更にいえば、何かしらの属性も付与されている感じがする。


「さっすが~くうとくん! すごいねっ!」


 アリーシャさん、あなたのほうが凄いですよ。


 特に道中はこれと言って変わったことが起きず、順調に進むことが出来た。



 ――こうして順調に俺たちの道中は進み、出口まであと一息の所に到着するのだった。




 ~~~~~~~~おしらせ~~~~~~~~


 今回で第2章の1部は終了になります。

 次回から第2章の2部が始まりますが、その前に幕間が入ります。


 次はクウトの修行中の秘密に迫ります。幕間であって幕間じゃないかもしれませんね。アリーシャの嬉しそうにしてる意味がわかる話になります。文字数が多くて2部に分けるか迷いどころです。この作品は相変わらず変なところで力が入ってますのでお楽しみに!

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