第2章 新たな旅立ち
1部 王都脱出~そして告白~編
謝罪される、これからの事
クウト達はひたすら東へ向かって進行していた。どうやら追手は無いようだ。後ろのほうでド派手に騒音がしていたがあえて気にしないことにした。
そのまま、エリナとアズラックの後へついて行く。
~数時間後~
ある平原の小屋についた。どうやらここが集合場所のようだ。
「あんちゃん、大丈夫だったかい?」
「大丈夫だ、問題ない」
アズラックから労いの言葉をかけられる。
「クウト、細かい話はアリーシャとクレスが合流したら話すね」
「ああ、わかった」
エリナに返事を返しておく。
それにしてもこの小屋、外から見るとボロボロだけど、中は意外にきれいだと思った。それに地下室もあるみたいで部屋数はそこそこ広そうだ。一時的に滞在できるようになっているようだ。
――こうして王都を脱出したクウト達は、集合場所に到着していた。
「くうとくーん、おまたせ!」
「みなさま、お待たせしました」
遅れる事30分ぐらい、アリーシャやクレスも遅れて到着した。早速これからの事を聞かねばならない。アリーシャは悠斗について怒っていた。
「悠斗に関しては悪かった」
俺がアリーシャに対して謝る義理は無いんだが、一応謝っておくことにした。
「ううん、大丈夫だよぉ、全然強くなかったしね!」
ふむ、そんなに強くないのか。
「でも、今後は要注意だねっ。それまであたしたちも力をつけないとねっ!」
アリーシャは何か新たに決意したみたいだな。
全員そろったことで、今後の事を聞いておかねばならない。
「エリナ、これからどうするんだ?」
俺は気になったので聞いてみることにした。
「そうね、私たちは、これから東の国のイーストウッド国に行こうと思うの」
その問いにエリナが答える。
色々の話をまとめると、この世界は5代大陸があり、この大陸は中央大陸と呼ばれている。海を渡るににも船が必要であり、航路が確定してるのはこの大陸でも三つしかないようだ。
サウスカロライナ共和国ついてだが、この国はとにかく資本主義社会で何をするにしてもお金がいる。渡航費となれば一人50000bit必要とかなり高額。
一般人はこの国から海に出るのは資金的にまず無理だ。
そもそも今の俺たちが入国するには難しい。
ヘイムフォード国についてだが、この国は傭兵大国であるが、交流がほとんどない。サウスカロライナよりは渡航費は安いが、その先の国は過酷な国ばかりで行くに値しないという。
――ただ、王都から逃げるにはもってこいだが、関所での入国審査が厳しいとのこと。密入国は厳罰がひどく、最悪死刑という極端な国だそうだ。
そして、今から向かうウェストウッド国についてだが、現在は王国の属国であり、関所において入国審査はそこまで厳しくない。
クレスの知人が関所で勤めてることもあり、今回はコネによる入国が可能だという。またレジスタンスが発足しており、クレスとエリナはそこの関係者とのこと。
これによってこの国に移動するすることに決まったようだ。
そして、エリナは申し訳なさそうな顔をして、俺に近づいてきた。
「クウト、あのね、ごめんなさい!」
突然エリナから謝られた。俺から謝ることはあるけど謝られることは無いぞ?
「とつぜんどうしたんだ?」
俺はそう答える。思うとこは多くあるが、エリナはいろいろよそよそしかった。
「クウトの友達にも会いたかったのに、こんなところまで連れ出しちゃって」
「姫奈には会えなかったけど、皇帝と悠斗には会ったし別に気にしてないぞ」
「でも姫奈ちゃんと会ってないでしょ? 恋人だったら辛いでしょ?」
え? 姫奈と俺が恋人? (ヾノ・∀・`)ナイナイ
「いや、姫奈とは別にそういった関係じゃないぞ、だから気にしなくてもいい」
別に気を使ってるわけじゃないし、これマジで会いたいか? と、言われると別にどっちでもいい。
「あんちゃん、俺からも謝る、すまない」
「くうとくん、ごめんね」
「クウトさん、本当にすみません」
メンバーからの謝罪の嵐。これ、このパーティは過去に何かあったんだろうな。
「いや、みんな頭を上げてくれ、俺は別にそれについて気にしてない」
本当にそう思うんだが、みんな優しいなと思ってた。
――しかしクレスは、とんでもない爆弾発言をするのだった。
「僕は、クウトさんを利用しようとしていました。いえ、――むしろこれから利用するつもりなんです」
………ん? なんだって? 利用する?
まあこれだけ色々無償でしてくれるなんておかしいとは思っていた。それはそうと、なんか横でアリーシャがにやにや笑ってるし。殴りたい、その笑顔。
それはともかくだ、乗り掛かった舟だし事情はいろいろ聞いてみるとしよう。
「利用するのは構わない。ただ、理由は聞かせてくれ?」
――そう、今日でここまで俺を優遇していた理由を、今知ることが出来る。
ずっと聞きたかったが、あまりにも居心地が良かったのと、プライバシーの侵害という事で今日まで聞くことが出来なかったのだ。
「ええ、もちろん………お話します」
クレスが神妙の面持ちで話し始めた。
「僕は………これから行く、イーストウッド国の元王子です。 国を取り戻すためにクウトさんが必要なんです」
ん? 俺が必要? なぜだ? 一体何の話だ?
「えーと、どこから聞いていいか分からないが、まず俺が必要な理由を教えてくれないか?」
俺はとにかく疑問に思った。俺じゃないといけない理由はおそらくエリナと一緒のような気がする。
「ええ、話すと長くなるのですが、まずこれを見てください」
クレスはそう言うと一冊の本を差し出してきた。
どうもボロボロで、やたら風化している古ぼけた日記のようだ。中身を見てみてみることにした。
あるダンジョンについて書いてある手記のようだ。
~~~
○月✖日
以前より行きたかった、この地にあるダンジョン「
このダンジョンに入るにはとあるアイテムが2つ必要らしい。
数百年前までそんな制限はなかったらしい。
しかし、今は必要だ。
その条件は、神器と呼ばれる特殊な装備を持つものを含めた2人以上がいる状態で入り口が10分だけ開くらしい。
たまたま私は便乗できた。本当についていた。
~~~~~
○月▽日
一階層は町になっていた。
ここに何人住んでるんだろう?
まともに数えていないが1000人近くの人が住んでるようだ。
そこにはお店があり、宿もあったりする。
色々聞いてると元々冒険者でそのまま住んでいるとの事だ。
そして私はとんでもないことに気が付いてしまった。
このダンジョンに出口は存在しないのだ。
聞くところによると最下層に出口があるとの事だ。
出たければ最下層を攻略しろとの事なのだろうか?
~~~~~~~
○月◆日
今日は3階層まで行くことが出来た。
中継地点のような村のような場所がある。
最初の街とは比べ物にならないぐらい物価が高い。
道中で収集した魔石やゴブリンの武器などを売って捻出できた。
~~~~~~~~~~
○月☆日
どうやら私はここまでのようだ。
五階層にいるミノタウロスが倒せない。
と言っても、戻るだけの体力もない。
せめて中継地点がこの階層にあればよかったのだが。
後続の冒険者の為に私の記録をここに残す。
~~~~~~~~
一日一日についての文章が事細かく書かれていたが、まずパパっと読む感じだとこんな感じだ。
簡単に要点だけまとめると、こんな感じになる。
・入るために
・
・中に町があり、多くの人が住んでいる。
・このダンジョンは、一度入ると脱出ができないが、最下層行くと出口がある。
何となく理解した。どうやら俺が持ってるこのアクセサリーが神器の可能性があるという事だ。
………ん? ちょっとまてよ。
その
こうして疑問が浮上する。
――――この時は思っていなかった。とんでもないことに巻き込まれるなんて。
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