第2章・キス

「お待たせ...」

「ううん。いいんだよ〜。行こ」

「は、はい」


千香は彼女が人嫌いだと言った。

どうして千香は彼女の事を知っていたのだろう。


きっと僕より千香の方が彼女の事を知っているのだろう。

千香は気になった相手はとことん調べる。

だから、彼女の事もとことん調べたんだろう



「はーるき!早く」

「あ、あぁ」


千香はなぜ、彼女の事を調べたのだろうか。


「白樺さんって綺麗だよね」

「え?」

「うちね、可愛いものとかが好きなの」

「そう。」

「ふっ」

「.......」

「白樺さんに会えて嬉しいよ。」

「ん!?」

「千香!!」


思いもよらなかった。

千香が...

彼女にキスをするなんて...

彼女は千香の事を女だと思っていると思うけど、千香は男だぞ!?

何を考えているんだ


「ちょっと!千香」

「なに?」

「何って!ちょっとこい」


平然とよくも居られるものだ。

千香は自分が男だと認めてないのだろうか。


「お前何したか分かってんの?」

「なにが?キスした事?」

「決まってるだろ」

「なんで?ダメなの?」

「は?」

「悠樹はあの子の事好きなの?」

「違うけど」

「ならいいじゃん」


良くない。

千香や僕が良くても彼女がダメだろ。

彼女は気品溢れるような美少女だ。

そんな子が女装してる奴にキスされたんだ。

少しは考えるだろ


「悠樹。覚えてる?」

「なにが」

「俺が可愛いものが好きだって言ったこと」

「あぁ」

「やっと見つけたんだ。可愛いもの」



この時はまだ、分からなかった。

千香が見つけた”可愛いもの”が

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