聖鎧エクスタシオン‼

タスク

第1話 最低最悪のファーストコンタクト

 俺の名前は貫田翔太郎ぬきたしょうたろう

 皆さんは毎朝の日課がお有りだろうか。

 瞑想、ジョギング、読書、音楽を聴く。何でもいい。

 とにかく、一日の始まりにルーティンを取り入れることで人生は実りのあるものに変わる。俺はそう信じていた。

 なので今日も始める。

 六時に起床し、まずは筋トレからだ。

「ふぅ」

 腹筋を中心に三十分。タオルで汗を拭う。

 日課の一つはこれで終わり。続いて二つ目に移行する。

 ベッドの下から袋を引っ張り出した。中から道具を取り出す。

 それはピンク色をした柔らかい筒状の物体だ。もうおわかりだろう、男の自慰を助けるご存知オナホールである。

「さて……」

 机の上に明子(オナホールの名前)とローションを置いてから、パソコンの電源を立ち上げた。『オカズ』のフォルダをクリックする。そこには、ネットで購入したエロ同人CG集が収められていた。

「今日はロリビッチで抜くか……」

 オカズが決定する。

 俺は一度決めたら途中でオカズを変更しない。

 迷いオカズはオナニーの質を落とす。さあ、始めよう。

 明子にローションを垂らして、しっかり空気を抜く。こうすることでバキューム効果が発生するのだ。非貫通型はこれが大事だ。

 イチモツはすでに屹立している。準備は整った、後は挿入して扱くのみ。

「往くぞ……ヌッ!!」

 キツ系の明子が俺のイチモツに高刺激を与えた。

 硬めのヒダが亀頭を痛いくらいに虐める。

「ハァ、ハァ……!! このメスガキが、股間を見せつけてきやがって!!」

 扱く手を加速させて画面に叫ぶ。

 オナニーのときは精子だけではなく頭に浮かんだ台詞も吐き出す。それが俺の流儀だ。

 限界が近づいてきた。CG集の場面を終盤へ移動させる。堕ちたメスガキが種付けを懇願していた。

『おじさん出してぇ!! 生意気マンコに屈服の種付け射精してぇ!!』

「くっ……!? おじさんだと、俺はまだそんな年齢じゃないぞこのメスガキ!!」

 竿役と俺の隔たりが一体感を阻む。

「そこはお兄さんだろうが孕めオラァァ!!」

 雄叫びと同時に、明子へ精が注がれる。

 エンドマークは『孕めオラ』。それもまた、俺の流儀であった。

「ハァ、ハァ……」

 快感は電撃のように駆け巡る。

 その後にやって来た倦怠感が、日課の終わりを告げた。

「おじさんになりきれなかったのは反省点だな……精進しなければ」

 途中で正気に戻ってしまったことで、明らかに質は落ちた。

 一時狂うことで快感は増すのだ。反省点をメモする。

 さて、明子を洗ってやるか。オナホールのメンテナンスは欠かさない、漢の義務である。洗面所に向かおうと立ち上がった。

 すると、

「あ、あ!!」

 振り返った先。見知らぬ女の子が、部屋にいた。

 腰まで伸びた金髪に碧の瞳、きらびやかな白のローブ。

 整った顔立ちを朱色に染めた少女はなんと宙に浮かんでいた。

 その背中からは白い翼が伸びており、頭上には輪状の光。

 これはまるで、そう……。

「天使……?」

「ち、違うんです!!」

 俺の呟きをかき消すように少女が叫んだ。

「覗くつもりじゃなかったんです!!」

 湯気が出そうなほど真っ赤な顔で両手を忙しなく動かす天使っぽい女。

「こ、この部屋からすごい生命エネルギーを感じて、それで……」

 わけのわからない台詞が途中で止まった。

 見ると、少女の見開かれた双眸がある一点を凝視している。

 それは一仕事終えたばかりの我がイチモツであった。ローション塗れであり、まだ屹立を保って天を仰いでいる。

「あ、ああ、あわわわわ……!!」

「おい。あんた、さっきから一体何なん……」

 一歩踏み出す。俺の竿も揺れる。

 謎のコスプレ女の頭上で爆発音がした。輪状の光が弾け飛ぶ。

「ぷしゅうう~……」

 目をぐるぐる回して少女が倒れそうになる。

 明子を投げ捨てて走る。後頭部を床にぶつける前に何とか抱きとめた。

「危ない危ない。おい、しっかりしろ」

「おちん、ちん……ちん、ちん……」

「気絶してる……」

 うわ言のようにおちんちんを繰り返す女がそこにいた。

「結局誰なんだこいつ……」

 得体の知れない侵入者をとりあえずビニールロープで拘束しておく。

「ふう。おっといかんいかん、はやく明子をキレイにしてやらねば」

 投げ捨てられた相棒を手に取り改めて洗面所へ向かう。

 シャワーを浴びてさっぱりしたら朝食にしよう。あの変質者のことは腹を満たしてから考えればいいや。

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