あの日の意味

@shetan9

第1話

2年前の上京仕立ての頃。


来る3月。すぐに学区内の中学校に通うことになった。ここの中学校は学区内の小学校の数が多い為、人数も集中した。

私は1年3組。まぁ無難な線だろう。

もともと私は人と話すと緊張するタイプで小学校ではほとんど声をかけることはできなかった。


昼休み…「あの…音楽好き?」「うん」「何が好き?」「ん~あっ!smileの君の気持ちかな!何が好き?」「私はスターシのrenbiかな」

と、声をかけてきたのはとても美人な女子生徒だった。「私は根岸瑞希!宜しくね」「宜しく」こんな綺麗な友達が出来るなんて正直夢かと思ってしまった。


だが、私はもともと身体が弱く、学校に通うことさえもままならなかった。

1ヶ月がたった頃、担任の先生がある提案を持ち出してきた。「山野さん、実はねうちの学校では毎年1名だけ韓国に留学させてるの。良かったらどう?」「あっ…考えてみます」

両親に相談してみると、以外とあっさり承諾した。むしろ行ってきたらどうだ。という雰囲気が漂っていた。私は行くことを決意した。瑞希には申し訳ないけど…今やれる事をやってみようと思った。


一週間が経ち、空港の待合室に私はいた。すると向こうの方から女の子達がやってくるではないか。その内の一人の子が「あの…韓国に留学する子ですか?」「はい…」「実は…」

どうやらその子が言うには、指定された各学校から一人ずつ選び、最終的にはアイドルとしてデビューさせるらしい。私は思った。先生そんなこと聞いてないですよ(--;)と。

でももう引き返せない気がしたから飛行機に搭乗した。そして韓国に到着。

私達はゲートを抜けると、そこで思わぬ光景を目にした。

若い女性が数十人ほど列を成していた。列の先頭に視線を向けると、そこにはイケメンの男性が。だが、私達は目もくれず、目的地の宿舎へと向かった(というか住居が宿舎になってるし)。

次の日、私は芸能学校に転校になった。よく分からないまま芸能学校初登校の日。そもそも韓国語が喋れないのでなんとか英語とジェスチャーで受付に伝えた。

ちょうど担任の先生が来た。「おー!来ましたね!宜しくお願いします。」この先生実はバイリンガルらしい。韓国語話せない私にとっても安心だ。「では、山野さんのクラスは1年3組。因みにここは将来的に見込みある練習生しか入れないクラスだよ」

先生、それ言われるとプレッシャーです(・・;)


教室に入りまずは自己紹介。昨日必死に暗記したカタコトの韓国語で話す。「ヨロブン、アンニョンハセヨ。チョヌンナノハイムニダ」

顔をあげると、なんだこの謎のオーラは!いかにも今テレビにでます!という子達ばっかり揃っていた。

(先生)「では、山野さんはあそこのハン君の席へ。」

隣の男の子はとてもイケメンだった。「チョウムペッケスムニダ」「ネッ!チャルプタカムニダ」

こうしてここから私の波乱の恋の幕開けとなる。

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