第38話 学芸会




前の34話の続きだが、小学校6年生の時、私達3人は、先生から目をつけられていた。

おそらく、悪ガキ3人組だったんだろう。

1人は、ペッチン。

お相撲さん体型で、いつもの決め台詞は、

「キャッチャー、ミット」と言って胸を叩いて、周りを威圧する。

皆んなは、怖がるどころか笑っていたが…

もう1人は、ミンヤン。

宮○君だからミンヤン。

彼は、お調子者だ。

二人のあだ名は、友達同士で付けたと思う。

2人共、あだ名に気に入ってるみたいだ。

おそらく。


ある日、学芸会の役を決めていた。

劇の名前は、忘れた。

私とミンヤンは、どんな役でも良かった。

しかし、ペッチンは無謀にも主役並みの役に立候補した。


ペッチンは、おばあちゃん子だ。


ペッチンは、おばあちゃんに晴れ舞台を見せたい為だった。

私とミンヤンは、皆んなに働きかけて、晴れて主役に選ばれた。


しかし先生はペッチンの主役を阻止した。


結局、私達3人は、森の中の木の役だった。


会話は無く『ざー、ざー、』と風に揺れて葉っぱが騒めく音だけで頭には、葉っぱの絵を描いた帽子と茶色い木の衣装…。


演技も終盤を迎えて会場は、我が子の演技で泣いていたが、ペッチンのおばあちゃんもお泣いていた。

おばあちゃんは、何故、泣いてたんだろう?

私は子供ながらに思った。


ペッチンのおばあちゃん…。

俺達は大丈夫だよ。

脇役があっての、主役だよ。

そして、僕達は強くなるんだ。

逆境に耐えて…。


先生、子供達に沢山、チャレンジさせて下さい。

失敗しても、大人になったら、きっと沢山のチャレンジをしていたら将来、何かの役に立ってます。

先生の安全策、私、今でもイラって💢ます。

今日も、道徳の時間でした。


ちなみに私の親とペッチンの親は、

木の役と前もって伝えた為、会場には来なかった…。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る