第31話 樹海




あなたは、樹海に迷い込んだ事がありますか?


私は、健康の為、近場に行く時は自転車を利用するようになった。

結構、車が通れない場所を自転車で行くと車より早く着いたりする。


この日も、自転車を使って歯医者に行った。

家の裏を通って山を下ると車より早く歯医者に着く。

しかし、獣道だ。

私の子供達には絶対に、あの獣道は行くな!と、前から伝えていた。

人通りもなく、サルやイノシシも目撃されており、事件でも巻き込まれる可能性だってある。

しかし、私は家族に内緒で獣道を利用した。

そして歯医者に到着して、その日は患者も多く1時間半も待たされた。

治療も終わり帰ろうとしたら、すでに外は、日が暮れていた。

しかし、何回も通ってる獣道、帰りは登り坂だが、私は頑張って自転車を漕いだ。


何処で間違ったか、見慣れない風景…。

やばい…。道を間違えた。

前にも話したが、私は後戻りは嫌だ。

この別れ道を右に行ってみるか…。

しかし、見慣れた道に出ない。

ヤバい!

もう、ここは、樹海だ…。


助けてくれ!


とは、叫ばなかったが、半泣き状態だ。

いい、おっさんが…。

携帯の地図を見ても、樹海の中心地点で訳が解らない。

私は、ここから抜け出れないのか?

恐怖で体が震えた。

私は、仕方なく後戻りして自転車を漕いだ…。

見慣れた景色は全く無い。

しかし、自転車を漕ぐ事、30分。

降った所に民家の灯りが見えた。

見覚えが有る。

隣街だ。

私は、樹海から生還した…。

めでたし、めでたし!

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