第16話 自由の国、アメリカ?





自由な国、アメリカと言うが、私が行ったアメリカ支社の工場は、あからさまに差別を感じた。

黒人は、役職に付けず、キツい仕事は、メキシコ人…。

アメリカ人は、機械がトラブルを起こした時だけ修理に動く。

何も無い時は、お喋り…。

だからメキシコ人は、アメリカ人を嫌っている。

でも、メキシコ人は文句は言わない。

私達は日本企業の為、アメリカ人は表面上、良くしてくれる。

「明日、俺の牧場で馬を乗せてやるよ!」

私は、その事を仲間の5人に伝え、楽しみにしてたが、翌日、何の連絡も無い。

確認したら、「又、今度、うちの牧場でバーベキューでもしょうぜ!」


もう、あなたなんか信用しないよ!

その点、メキシコ人は、陽気でいい人達だ。

三回くらい家に招待された。

家は、狭く綺麗ではないが、暖かさがある。

バーベキューをして、メキシコ人はギターを弾き私達を歓迎してくれた。

もちろん、アメリカだって良い人は沢山いるよ。

でも、人って心から付き合いたいよね!


短いので、もう一つ。

仕事中、退屈に雑談しているアメリカ人。

その中に、変に陽気な太めの青年がいた。

青年の名前はジェームスだ。

そのジェームスは、腹を突き出し内股で歩く。


ジェームスは指ピストルで私を打ってきた。

仕返しに、私はジェームスの歩き方を真似して歩いた。

周りがウケたので毎回、彼らの前で真似た。


翌日、私は工場長に呼ばれた。

「アメリカ人のジェームスって知ってる?

その子から苦情が来たんだよ。」

「内容は?」

私は工場長に尋ねた。


「実は…【あのJapaneseアドバイザーは、オカマだ!私は、会社に行くのが怖くなった。】

と言ってたそうだ。

このままでは、訴えられるぞ…

アメリカは、そんな国だ。」


私は、女性スタッフに頼みジェームス宛てに手紙を書いて貰った。


そして翌日、ジェームスに渡した手紙のコピーを女性スタッフから見せて貰った。


【からかって、ごめんなさい。

もう、2度とあんな事はしないよ。それと、私はオカマじゃないよ。安心してね!♡♡】


通訳の女性スタッフがふざけて♡を入れた…。


駄目だよ!この場面は、ふざける場面じゃ有りません…。


その後、ジェームスのお許しは無かった。


でも、私はオカマじゃ有りません!

ムカッ💢

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