第25話 ざけんなっ!

ミノタウロス・亜種…今では立派な人間モドキになりました。

ただね、2メートル近いかな…身長が。で、エリザよりもおっぱい大きいの。

体は黒くて、髪の毛なんかモー、真っ黒。

頭に紅色の二本の角があるね

名前が欲しいって言うから、ヌレハって付けてあげたら喜んだね。

艶やかな黒髪はカラスの羽の色…濡れ羽色からとってみたよ


妹さんの方はスタンダードなミノタウロスなんだって。

確かにヌレハと全然似てないね。でも姉妹だよ

身長は僕よりやや低い。1メートルあるかないか。おっぱいは子供なのにDぐらいあるね。

ジェシカにリズさん負けちゃった。でも仕方ないよね、牛さんだもの

毛の色が赤みの強い茶色だったから、名前をマルーンって、つけてあげたよ。

喜んで、そりゃあもう喜んで…追加で1戦させられたね。

エリザとヌレハはどうしたのかって?

オアズケだよオアズケっ。人が寝てたら2人して襲いやがって…


「ご主人様っ、帰りますよーっ」

「あーい。直ぐ行くー」

どうやら荷造りが済んだみたいだ。

じゃ、みんなで王都に戻ろうか…

……

「…ちょっと待て。ヌレハ、お前なんで腰蓑しか履いてないんだ?」

「ご主人様、コレしか持ってないからに、決まってるだろ?」

「ヌレハ!またご主人様にそのような口をきいてっ」

「エリザ構わんっ。コレはヌレハの色だ。

ヌレハ、口調はそのままでいいよ」

「色?…ですか?」

「ま、エリザは分からんでいい。僕と黒糖の問題だからね」

「…は、はあ。」


「ねー、ねー、あたしは?」

「………」

「はっはっは。マルーン、おまえ全裸だな」

「困った姉ですね…」


「またか…。また服で悩むのか…

いや待てよ?森の出口で待たせて、僕たちが…服を買って…いや、買うのは馬鹿らしい。

ベスをコキ使うか…。

よし、みんなとりあえず森の出口まで向かうよ」

「はい」

「いーぜ」

「がんばるー」


「では、失礼します」

"ひょいっ"

「あ、やっぱ

り…

…かはっ?!

……

「おぇぇぇぇっ!」


「着きました」

「大丈夫か?」

「イッキ様、顔が青いよー?」



◇◇◇


「じゃ、2人はここで待っててね。すぐに戻ってくるから」


僕とエリザは王都の雑貨屋に向かう

ベスがやってる店だ


……

「ここか…。外見は普通だね…?それが逆に怖いよ僕」

背中からブルっと震えがくる

「とりあえず入ってみませんか?」

「…そだね」

恐る恐る足を踏み入れる僕


……。なんだ、中もごく普通か。

ドキドキしていたが、損した気分になる


「あらん?いらっしゃい」

「ブッ?!」

鼻水が出たよっ

「ベスっ!なんでセーラー服を着ているんだっ?!」

また勇者かっ?! 時間軸が違うにしても…前の世界の僕とあまり時期が違わないヤツが来たのか?

「セーラー服ってゆーのね?文献には水軍兵士が着用とか書いてあったそうよん」

確かに、由来はそうだね…。となると、昭和の人間か?

「なるほど…。それを、ベスがアレンジした訳だね」

まったく、手先が器用だといかんな…


「そのまんまよん?男が着たら、コスプレって言うらしいわぁん」

「着ねーよっ! クソ勇者がっ。いらん知識を残してんじゃねーよ!」

その勇者、確実に病んでたな


「それでイッキちゃん、今日はなあに?」

おぉ、そうだった。セーラー服で目的を忘れとったよ僕


「エリザのサイズより、もうワンサイズ大きい服ってある?」

ベスのことだ。自前の服もいろいろ作っているに違いない…


「あるわよー。前の修道服だっけ?二の腕の所をゆとりもたせて、少し大きめに作った服が…」

「それ着れたんだよね?なんで、そんなに悲しい顔してるの?」

悲しいというか、泣きそうになっている


「コレを見て…」

真っ白な修道服を渡される僕

「…普通じゃないね。背中の大半と…お腹、いや下腹部の生地ないじゃん」

また大胆過ぎる服を作ったなコイツ…

修道服を何だと思ってるのか?


「前に比べて大胆だけど…。コレのドコに問題が?」

「そうなのよん、問題大有りよ…。勃ったらね、…先っぽ出ちゃうのよん。

            …先っぽがっ!」


"バンっ"

ベスが、カウンターを力一杯叩く。


「テメーっ馬鹿野郎! 大胆どころか、犯罪じゃねーかっ!」

こんな店長で、店がよく成り立ってるな…


「ひ、酷いっ。イッキちゃん、酷いっ!」

「うるせーよ。コレもらうぞ、馬鹿野郎っ」

「…ま、いいわよん。アタシじゃ、着れないんだし」

ヌレハの服GET。マルーンのは…さすがにないか

「あのさ。僕ぐらいのサイズで、修道服作れる?」

ダメ元で聞く


「作れるわよん?…でもなんで??」

「子供を拾ったんだけど、服が無いんだ。だからどうしても欲しいのさ」

手ごたえはあった。子供のアピールしたし…いけそうな予感。


「かわいそうねぇ…。…有り合わせならすぐに作れるわよん?」

よーし、キタキタっ

「ベスさん。その白い生地と同じ生地で作ってください」

「あら、エリザちゃんどうして?」

「2人は姉妹なんです。だから、お揃いの色がいいんです」


「エリザ、ナイス! マルーン喜ぶと思うよ」

「だったら、私たちも嬉しいですね」

凄いねキミ…。人間でもなかなか、思いやりの出来るヤツはいないのに…

「よし、すぐに取り掛かれベスっ!」

「まったく、人使い荒いわねぇ…」


◇◇◇


「どお? なかなか良いでしょ?」

確かに。悔しいが…素人からでもすぐ分かるぐらい、良く出来ている

「アレ、値段高くてねぇ。あまり購入してなかったからぁ、残った生地で頑張ってみたけど。ノースリーブになったのねん」

「ま、それは仕方ないよ。しかし、短くないか?」

「生地が少ないって言ったわよん?」

見た目は修道服…なのかコレ?

まぁ…エリザやヌレハの服に比べたら露出も軽いか。


「ありがと。代金は…

「その神槍でいいわよん… "ゴクリっ"」

ベスが生唾飲んだ。視線が熱いっ!


「ざけんなっ! 絶対払うからな!!」

どんな事しても金を作ってやるっ

「高いわよん?…体で払ったほ…

「死ぬか?」

「ご主人様、準備できてます。いつでもよろしいですよ?」

「嘘っ!嘘よっ…冗談。いつでもいいからねん。値段はそうねぇ…激安で10万ドルンねぇ」

ドルン?レートが分からないが…。たぶん安いのだろう

「ベス、またくるよ。次は金を持ってあっ?!…少し遅くなる。ちょい待ってて」

「いつでもいいと言ったわよん?」

「助かるよ」



◇◇◇



「お待たせっ…あら?」

森の入り口付近で、待たせたはずの2人がいない

「エリザ、2人を感知できる?」

遠くに行ってなければ分かるはずだよね?


「できますね。しかしご主人様、心配いりませんよ。2人を水場から感知しましたので、水浴びをしてるのではないでしょうか」

そうか…。アクシデントじゃないなら心配いらないね。2人はここに戻ってくるんだ。終わるまで、待っていよう


「エリザ、すぐ行くぞっ!」

「時期に戻って来ますよ。心配性ですね」

…言葉と行動がおかしい男、イッキ


「何言ってるの?!早く行かないと、水浴びが終わってしまうかもしれないじゃん!!」

「……そっち?」





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