第22話 わ、ワシが1番偉いんだっ

僕を先頭に、ぞろぞろついて来る

「あっ?!」

僕は足を止めた

「どうされました?…ご主人様??」

「ギルマスの部屋、知らないや僕」

こんなことなら来る前に、エリザに聞けばよかったなぁと思ったよ

「誘導しますから、ご主人様はそのまま先頭を歩いてください」

「うーん…。それもいいか…いや、さっきの受付嬢さーんっ、ちょっと来て」

受付嬢さんを呼ぶ僕


「なんでしょうか…?」

ギルマスの部屋に乗り込むからか、足と声が震えている

「受付嬢さん…呼びにくいな、名前なんていうの?」

「モニカ…です」

「じゃ、モニカさん、僕をギルマスの部屋まで案内してよ?」

「ええっ?!」

突然の大役に驚くモニカ


「大丈夫、僕がついているから」

階段の高低差を利用して、モニカを抱きしめ、耳元でささやく僕

あぁ…髪が良い香りする…

「ご主人様?」

「うをっ?っと」

びっくりしたなぁ。余韻なんかねーよ

「お願いするね」

モニカが頬を染めてうなずく

……

階段って…良いね。

人体の構造上、どうしても自然に動作がエロくなるよ

「プリンっプリンっ…」

「ご主人様?オヤツには、まだ早過ぎるかと思いますが?」

ふふふ、エリザめっ。まんまと引っかかりおって…

「コレは擬容語っ! モニカのプリンとしたお尻の動きの表現さっ」

「おみそれしました…。ですがご主人様、そのプリンとしたお尻ですが…隠されたみたいですよ?」

「ほぇ??」


モニカのお尻に目を向ける

「あっ?!」

どこに持ってたのか、トレーでお尻をガードしていた

ば、バカなっ…。

はっ?!待てよ、もしかしてコレはエリザの誘導かっ?!

エリザを見遣る僕

「あまいですね」

「ぐわーーっ!! やられたっ」


……

「なあ…。俺らギルマスの部屋に、乗り込もうとしてんだよな?」

「「あぁ…」」

「ならなんでピクニック感覚なんだ?」

「知らないわよっ!」

「自然…逆に、むしろ不自然過ぎるだろっ」

「「あぁ…」」

……


モニカが立派な扉の前で立ち止まる

あ、ここね?

「エリザさん、出番ですよ〜」

"ドカンっ"

扉が吹っ飛んだ

「はい、よく出来ました。それじゃ、お邪魔しますねっと」


扉の残骸に注意しながら中に入る

繋がれた2人の冒険者が先ずは目に入った


「エリザ、それとモニカさん。2人に何かかけてあげて…。鎖はエリザ、よろしくっ」

エリザとモニカは、裸の冒険者2人にそれぞれ布をかけてあげ…エリザ、それカーテンじゃないか?

……

エリザが鎖を断つ。ソーメンみたいに千切ってくれるのはいいが…。みんなドン引きだよ?

……

「待ていっ!ギルマスの外道がいないよ?

エリザ…どういうこと?まさか、逃げた??

…くそっ、気配を断つべきだったか…」


僕があまりにカッコいいセリフを言ったからか、周囲の目が冷たい

「ご主人様、足元をごらんください」

は?足元〜っ??視線を下げる僕

……

「裸の汚ねえオッサンがいるね…」

「ギルマスですね」

?!

「マジで?」

「マジで。」

……

「いやいやいや、こんな奴がギルマス?珍子も剥けてないんだよ?ダメだろコレでトップにたったら…」

「剥けてなくてもギルマスですね。良く顔見てください」

そう言われて、扉の破片が直撃したのか、ぐちゃぐちゃになった顔をみる


「…あ、ほんとだ。コレは分かんないね」



◇◇◇


僕たちはロビーに戻ってきた

みんなに囲まれて、下手人2人が正座している


「うん、みんなお疲れ様っ。2人の処分は僕がするよ?」

「「「?!」」」

騒つきだす周囲


「君、コトがことだから王宮に知らせないと…」

「そうだぞ小僧っ。何の権限があってソレができるんだっ」

「そうよっ、コイツら死刑に値するけど私たちが決めれないわっ」

「少年…気持ちは分かるが…ここはおとなしくしとくべきだ」

「そうだっ!ガキはガキらしく家でおとなしくしとけっ!!」

「ね、ねえ君…。モニカも、大人達に任せておいた方がいいと思うよ?」

ふむ…。こうなる事は予測できたが…


「ワシは王都ギルドのマスター、1番偉いんだっ。それをこの様な目に合わせてっ!!

貴様ら、生きていれるとおもうなよっ?!」


「「「くっ?!」」」


あらら…。大罪がバレてもギルマスか…

周りの連中も腰が引けてるな

エリザが我慢の限界を迎えたのか、オーラが滲み出始めた…


「エリザっ! …うん。落ち着こうね」

「申し訳ございません」

たぶん僕絡みで、いっぱいいっぱい…だったのだろう


「2人は僕が処分する。コレは決定事項だよ。

みんなは何も知らない…見ていないんだからね」

「だから、なんで小僧がっ」

「王宮に…大人達にまかせとけっ」

……

…"キィーーーン"

「あ? 大人達に任せろ??お前ら、どの口で言っている?こんなゴミに腰を引かせた連中が…。

王宮?なんだそれ?? ゴミの集まりか、ソコは?

いいか、良く聞けよ? コイツらは生きる価値が無い。分かるな? そして野放しにした王宮…コレも価値が無い。そんな所に報告して何になる?

あの隅に蹲って震えている、2人の女性をよく見ろっ。

彼女たちを見ても、まだ同じ事を吐かす奴は…遠慮しなくていい。名乗りをあげろ…

俺が直々に女冬…

「ご主人様っ!!いけませんっ」

?!

あっ?! ……ふぅ。

アッチのオーラは…漏れてないな。よしっ

「エリザごめん。助かったよ僕」

「ご主人様、おかえりなさいませ」

にこやかな笑顔を見せて、エリザが僕を抱き抱える


「じゃ、みんなそう言う事で、よろしくっ」




(真っ白)




「いや、固まんなよっ?!」



◇◇◇



モニカの案内で地下の訓練場に来たよ

エリザ、シルバーブレット、モニカさんにあとは"見込みのある冒険者"が数人…


「さ、始めようか」

軽い言葉で始まりの合図を出す

「ご主人様、アッチの統括は生かすべきです」

エリザがここに来て助けるという

「おや、どして?」

エリザのことだ。何かあるに違いない


「他の行方不明者を、知っているやもしれません」

「おぉ、そうだっ。そうかもね…。よし、採用っ。 …だが、手足は要らないな」

「御意っ」


言った途端、統括さんの四肢が弾けた

「ぎ、ぎゃぃぁぁぁっ!!」

うっさいな…。黙ろうよ少し

「えいっ! …"ゴキっ"

ぎゃーっ?!あ、足が折れたっ?!」

ば、バカなっ?!スタッフのクセに、服の下に金属製の帷子だと?


"ジョロジョロジョ〜"

四肢にしょんべんをかけとこう

……

「ひでぇ…。処刑で遊んでやがるっ」

「バカっ、聞こえたらどーするっ?!」

「ダルマ状態にしてからの追撃か…」

「たいして…いや、自分がダメージ喰らってないか?」

……

喧しいなぁ。雰囲気ぶち壊しだよ

「さあて、ギルマス…。いや、前ギルマス君、この世を去る準備は…出来てないみたいだね?」

ウンコ漏らしましたか…。

誰が片付けるのかなぁ


「新しいギルマスには…モニカっ!キミがなれ」

「ふぇ?!」

「「?!」」

びっくりするようなことか?


「モ、モニカ…まだ3年目ですよっ」

「「若過ぎじゃないか?」」

「いえ、モニカなら大丈夫です」

「マリーの言う通りよ。私も、モニカ推し」

「いーんじゃねーか?イッキが決めたんだ。拒否はムリなんだろ?」


"パンッパンッ"

手を叩く僕


「はい。決まりましたおめでとう!

ま、言っときますけど…年功序列や、能力などで決めたことじゃないんです」

「「じゃあ…なんなんだ?」」


「プリンとしたお尻で

「ご主人様?」

「というのは、冗談で…。僕とのやり取りで決めました。詳細はナイショ❤︎」


「「「………」」」


もうお昼じゃない?

朝メシ食べ損ねたからお腹減ったよ僕

「…お腹減ったよ。みんな…これからの事は秘密…いや、死ぬまで口にしたらいけないよ?

いいかな?じゃ、エリザよ "グゥー" …

はい、今のなし。大人のみんなは分かるよね? エリザよろしくっ!」


『グラビティ・デス』


「ぎぃ?!……"ペシャンっ"


ほー。中心に潰れていくのねー

ブラックホールに近いか?

「はい、皆さん。忘れましょうね?」


「「あ…う」」

「…じゅ、重力魔法っ」

「本物だ…本物だよっ」

「ま、エリザなら当然だろ?」

「ですね…。信じられませんが」


「みなさん、何を落ち着いてるんですかっ?! 重力魔法ですよっ?!重力魔法っ」

"キューっ"

「きゃあーっ?!」

うるさいモニカの乳首をつねり上げる僕


「モニカ、忘れろと僕は言ったよ?頭に残す…思ってたら、口からポロっと出るからね。コレは極秘でよろしく、ギルマスさん」


モニカの肩を叩いて、訓練場を後にした




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