第20話 な、何があったんだっ?!

「…う。……ぅん」

目が覚めた。体が重い…

かなり長い時間、眠っていた気がする…

嫌な汗だ…悪夢でもみたか?

?!…汗?

いや、これ汗じゃないぞっ?!

臭いが違うし

ウチはまだ暗い部屋の中を、目を凝らして見る

イッキがウチの胸を枕代わりに寝ていた。

「お…い?」

声をかけようとするも、思い止まった


「ちょい待て! ウチ裸じゃん?!」

慌てて横を向くジェシカ。イッキはベッドから落ちた


「何故メロンがっ?!」

違った…。エリザのおっぱいだ


……

「な、何が…一体何があったんだっ?!」



チュンチュン…

〜 陽が登って 〜


「ご主人様、おはようございます」

「あ、おはようさん」

睡眠時間の割には体が軽いな

よく眠れたのだろう


「ご主人様、眠たくないですか?」

「気遣いありがと。それがね、枕が良かったのか…。もうぐっすりで、寝起き最高だよ」

「それはよかったです」

……

「…待てや。2人で会話すんなっ!ウチが起きて、横に立ってるの気付いてただろ?

いや…まず、お前ら人の部屋で何したんだ?!

…イッキ、エリザのおっぱい吸うなっ!

           …コッチ向けっ」


ジェシカうるさいなぁ…

朝っぱらから元気過ぎるよ?

「何って? …何?エリザ分かる?」

エリザにパスを出す僕

ほれ、さっさとシュートしちゃえ


「は、恥ずかしいですぅ…

…もうっ、ご主人様のバカっ」


あら?ボールが戻ってきたよ?

「だってさジェシカ。バカなんだって僕」

「知らねえよ。おまえ「そんなつもりで言ったんじゃないですからね?ご主人様っ」ろ」

重ねてきたねエリザ…

ナイス!って言いたいとこだけどジェシカがキレそうだよ。マジで…


「ばっか。冗談だよエリザ。僕がエリザに起こるわけないだろ?…な?」

エリザの白い綺麗な髪を触る


"プチ"

"ガッ…ポイっ"

「さて、エリザ。ウチにちゃんと説明してもらおうか?」

………

……

「ごめんってば。だから機嫌直してくれよイッキ〜っ」

ジェシカが手のひらを合わせて謝ってくる

「え?…ジェシカ、僕を窓からポイ捨てしといて、それで許せ…と?」

激おこだよ僕

3階から裸の僕をポイ捨てしてくれやがって


「ほら、イッキの大好きなおっぱいでちゅよ〜」

ペロンと上衣をめくって、おっぱいを出したジェシカ


"モミモミ"

「くっ、そんなんで許してもらえると…思っているなら、激甘ですっ!」

"モミモミ…モミモミ"

「いいですか?! 全裸で朝イチから、周囲の人の目を我慢して部屋まで戻ってくる…。

とても気持ちが良く…あ、いや…悲しい気持ちになったんですよ僕」

まったく、けしからんおっぱいだ。


「ご主人様、しばらく黙っていましたが…いろいろ無理がありますよ」

「イッキ…お前、激甘だろ?」

…そうね。2人の言う通りだよ



◇◇◇


いかんっ、つい寝てしまったか…

ワシは明るくなった部屋を見る

「夜が明けてるではないかっ?!」

ぐぬぬ、黒夢ぇ!何をやってるんだっ

まさか…摘み食いしとらんだろうな…



◇◇◇


「ねー、リズ。ジェシカたち大丈夫よね?」

マリーが心配そうにリズに言った

「えっ?! マリー、本気で言ってるの?」

リズがびっくり・驚いて答える

「当たり前です。リズは心配じゃないの?」

何よっ心外だわ…みたいな感じで言い返す


「…あのね。エリザさんはね…。

  …たぶん…人外。それも最上位の…

だから失敗とか…心配すらムダだと思うよ」

「ふぇ?!」

日頃のマリーからは想像出来ない、マヌケな声が出た



◇◇◇



「あとはギルマスただ1人だね」

「…うん、そうだね」

あら?急に汐らしくなってどったの?

エリザを見る僕。ほら、ジェシカいつもと違うくない?

「ご主人様、ジェシカは生理…

「違うっ!そんなんじゃないっ」

今度は怒り出したよ…

エリザを再び見る僕。ね、やっぱり変だよ

「ご主人様、ジェシカは情緒不安定…

「ちげーしっ! そうじゃないんだ…」

じゃ、なんだよ?心配になるじゃんか…


「どうしたんだよ?いつもの様に元気なジェシカに戻ってよ…」

子供に戻ってしまったせいか、少し涙目になってしまった僕


「イッキ…。イッキとエリザはどうしてウチの為に、ここまでやってくれるんだ?

クイーンモドキの時もそう…今回だって…

ウチにそこまで…2人が命を張ってまでの価値あるのかっ?!」

突然泣き出したジェシカ…

「それは、おっぱいが…

「ご主人様っ」

……

「はぁ〜…

真意を語るのは俺的には好ましくない。よって、1度しか言わんぞ…

俺はな、シルバーブレットが…ジェシカが好きなんだ。男っぽい仕草、仲間を思う心…それに、ふとした時に出る女性らしさ。あと、大胆かと思ったら急に恥ずかしがるところ…

そんな魅力的な女だよジェシカ、キミは。

命を張る価値? 十二分にある。だから泣くな。俺まで悲しくなる…」

そっと、親指で涙を拭いてあげる


「「………」」

「2人共、顔が真っ赤だぞ?」

ジェシカなんて、口をポッカリ開けちゃって…

僕の槍を咥えさせようか?

「おーい…2人と

「分かったっ!もういいっ」

シーツを頭から被って隠れるジェシカ

隠れんぼにしては、お粗末だな

……

「あ、あのっ…ご主人様。わ、私は?」

エリザか…

「お前は俺の物だ。俺から離れることは許さん。そばにずっといろ…いいな?」

「ひゃいっ!」

エリザもシーツを被って隠れたか…

あのさ…ワザと見つけられないフリで、やらないといけないの?隠れんぼ



◇◇◇


「ちょっと2人とも…いいかな?」

「ふふふっ、なーにイッキ?」

「なんでしょうご主人様っ。ふふふっ」

おかしい…態度が全然おかしい…。


「いえね、自分の足で歩きたいわけなんだけど…降ろしてくれないかな?」

ジェシカが僕の腰に手を回し、エリザが僕と腕を組む…

キミたち疲れない?…疲れないよね。2人とも肉体派だもの…

「「やですっ」」


「はーっ…。このままリズやマリーに会うのか…。気が滅入るなぁ」



◇◇◇



「や、2人ともおはよう」


「「………」」

リズとマリーが固まっている

僕の両隣の2人はニコニコしているだけだ

キミたち挨拶もちゃんと出来ないのかね?


「みんな朝メシまだだよね?一緒に食べよ?」

……

まぁ、流れから薄々分かってはいたんだが…

「ねぇ?!朝メシぐらいはちゃんと食べようよっ」

「「……」」

くうっ…リズとマリーの視線が痛いっ

あと、周囲の連中もこっち見んな!

「エリザ椅子…は、まぁ…良くはないが、まだ良いとしよう…。ジェシカっ!なんでお前膝立ちで僕の前に居るんだよ?」

六人用のテーブルに座ろうとしたが、エリザに捕まって…ジェシカにテーブルをズラされた。

「「……」」

「ほらー、あっちの2人…無言じゃん」

「ご主人様、ミルクです」

「あ、どうも…」

コップを受け取りミルクを飲む


「イッキ、ソーセージあるわよ?」

あ、気がきくね。パンのオカズにそっ、そっ

そこにソーセージ?

「なんでジェシカのおっぱいの間に、ソーセージが挟まってるんだよっ?!」

周囲から完全に孤立した。仲間なんていねー


「だってエリザが…」

エリザっ、朝っぱらから主人にプレイを要求するのかっ!とんでもない配下だっ


「ご主人様、箸など不粋です。口で直接いっちゃいましょう」

「ですよねー。僕もそう思ったんだ "パクッ"

うん …うまいっ」


ダメだー。周囲が敵になった…

四面楚歌ってこんな感じか、今なら分かる

……

あぁ、楚の唄が聞こえてくる…


♪♪♪

『田代が覗いた風呂の中〜

 お尻が見えたぞ家の娘や〜

夕陽に向かって発射したーっ。射精した〜

いいな、いいな。妊婦っていいなっ

おいしいご飯にポカポカお風呂っ

疲れた旦那を コキ使うんだね

僕は逃げよう 愛人作ろう

満々万グリ返しで パイのパイのパイっ』

みんなの唄

♪♪♪



"ガクリっ"

「イッキ?!」

「ご主人様っ?大丈夫ですかっ?!」

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