邪人転生

黒糖

序章

第1話 一樹死す?!

その日、一樹はAVを観ていた


『あ〜んっ、早くきてえぇぇ❤️』


「ダメだよ、もっとガマンしなくちゃ」

『ガマンできないよぅ…』


「はっはっは! 仕方ないなぁスズは」

『は、入ってきたぁ』


「欲しかったんだろ?コイツが。」

まるで会話をしながら、エッチをおっ始めようとしているが…

独り言なんだよね "ゴシゴシ"

いやー、でもこの女優…広瀬川スズちゃんは良いねー。綺麗でちょっとロリっぽさがあって…最高だよっ "ゴシゴシ"


『あー、スズもうイッちゃうーっ』

「僕もイクから、ガマンしてっ」


「『アーーっ』」


ふぅ…一仕事終えた後の爽快感がまた良い

「一樹ーっ。終わったか? 次は父さんに貸してくれー」

アホの父さんが余韻を台無しにしてくれる


「早えよ、父さん!僕激おこだ…よ?」

『最後まで観てくれたみんなーっ。 スズだよっ! ○月×日イベントやっちゃうから、○×□の公園に来てねー』


?!

「マジで?今日じゃんっ。それも近いし!

…と、父さんっ すぐ行こう。もしかしたらAVに出演出来るかもしれないよ?」

「南斗?! 母さんには内緒だな」

親子は家を飛び出した


◇◇◇


「うわっ、結構人いるね」

「まぁ、こんなもんじゃないか?一樹」

父さんと僕は、遠巻きにスズちゃんを眺める



「じゃ、次いくよー」

スズちゃんが箱の中に手を突っ込んで、紙を取り出した

「んーと…次回出演? あ、男優さんかっ。

男優さんになりたい人〜」

流石にビビったのか、ちらほらしか手が上がらない

「「はいっ!はいはいっ!」」


アホの親子が猛烈にアピールする


「じゃあ、キミは学生さんぽいから…横のおじさん。 おじさんに決定〜」

父さんに決まった。


「うひょー?! マジかっ。俺やったよ!

どうだ 一樹、すげーだろっ」

ドヤ顔で言いやがった

「あ、そっ」

僕にはどうでもいい話だ…クソがっ

血の涙を流す


「じゃ、次ねー "ゴソゴソ…サッ"

ペアで写真? あ、ツーショットね。誰かスズと一緒に撮りたい人〜」

「はいはいはいはいはいっ!!」


「…そこの赤い涙を流しているキミ。 そう、キミ。 学生さんぽいけど、写真なら大丈夫だよっ」

や、やっだ! やったよ僕。

「前に出てきてくれるかなー?」


泣きながら僕は、フナムシ共をかき分けて前に出た

「ツーショット写真を撮るけど、何かスズに注文あるかなー?」

「立ちバックで、スズさんがピースしているなんてどうでしょう?」


「…公園だよ?出来るわけないよね…」

「じゃあ、仁王立ち笛なんてどうですか? 隠れて竿は見えないと思いますが…」


………

……

結局、顔を寄せ合った写真を撮られた


「父さんはいいよねー。僕も出演したかったなぁ」

「一樹、それは無理だ。父さんが選ばれたのはスズちゃんが、父さんに惚れたからだぞ」


違うだろっ。この馬鹿が

「僕はごく普通の写真かぁ…」


写真を眺めながら歩く

『きゃー! トラックが突っ込むよっ』

と、誰かが叫ぶ

トラックが女子高生の自転車の列に向かっていた

そんな…事故が起こりそうな今、僕は写真を眺めながら歩いている。まったく気付かない


「もうちょっと…こう、エロさがあって "ふわりっ" あっ?! 写真がっ」

写真が風に拐われた

「スズちゃん、待ってよ!」

慌てて捕まえようとする僕。だが、写真は車道へ飛んで行った

「僕のスズちゃんが危ないっ!!」


「一樹っ?! あぶねーのは、お前だよっ」

父さんが背後から叫ぶ

「しらねーよっ! この男優オヤジっ!!

僕のスズちゃんが轢かれてしまー


"キキィーーーッ  どグシャァ"


「か、か、か、一樹ぃぃっ!!」

「「キャァーーっ」」

「おい、子供が轢かれたぞ」

「け、警…いや、救急車を誰かっ」

………

……




◇◇◇




おや? 僕のスズがいないぞ…

どこかな?

「おーい、隠れんぼは終わりーっ。スズ出ておいでーっ」

僕は真っ白な空間でスズを探したよ


『あのですね…自分が死んだという認識ありますか?』


「スズやーい。今出てきたら、僕の負けでいいよー」


『佐藤一樹君、聞こえてますか?』


「スズちゃ〜ん、僕怒んないから、早く出てきてよっ」


『一樹っ! 聞こえてるんでしょ?返事ぐらいしなさいよっ』


「うっさいわボケっ。今それどころじゃないだろ! 空気読めや

 …スズ…僕、泣いちゃうよっ?!」


『うわぁぁぁん』


………

……

「はー、で?ナニ?! 話聞くから泣き止めい」

『うぅ…ヒック… ありがとうございます』

声のする方へ顔を向けると、かわいい女の人がいた


「お嬢さん…キミに涙は似合わない。だから泣きやんで」

僕は女の人の頬に手を当て、親指で涙を拭いた

「全部あなたのせいなんだけど?」

「またご冗談を。 で、どうされました?」


「それなんですが…あなたは事故の事故で亡くなりました」

「ん?事故の事故?? 解りにくいな…

   ザックリ言うと?」


「手違いです」


ほー。手違いで死んだと…僕が?!

「え? マジで?」

「うん。マジマジ。 ホントはね、女子高生にトラックが突っ込んで…その中に異世界に行く資格を持ってる子がいてね。事故という結果から、その子に行ってもらう手筈だったんだー。

んでね、それ以上に何故あなたが来たのか分かりません」


「んー、つまり僕は?」


「要らない子ね」




…プツン



「テメー、その言い方はねーだろっ!!」

「ひっ?!」

「逃げようとすんなやっ」

"ビリビリっ"

「あぁ、私の神衣がっ?!」

「こんなスケスケの布に、大層な名前付けてんじゃねーよ」

僕は布切れを手で上にあげ、取られないようにする


「あーんっ、返して!」

 "ゆっさゆっさ"

女の人が動く度に、おっぱいが揺れる


「なかなか、いいモノもってんな」

手を伸ばす僕

慌てて隠そうとする女。

馬鹿め、そりゃフェイントじゃい

「おりゃっ」

「キャッ!? 」 ドサっ

足を払って転かした

「さぁて、覚悟はいいか?」

「離しなさい。私は女神ですよ? こんな事してただで済むとー

"ズッ!メリメリメリ…"


「はわわわわっ?! 私の中に入って来ちゃダメぇぇ」


煩いから僕は塞いだよ

下をね







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