再会

家の中に入り封筒を開ける。

ローリングさんからの手紙にはこう書いてあった。


【朝倉さん、こんにちわ。

明日の正午に王宮へ来てください。

隊長さんがお待ちです。

頼みたい仕事があるとの事です。

門番に朝倉さんの名前とカーマ村から来た事、第伍番隊隊長に呼ばれた旨を伝えれば中に入る事ができるそうです。

明日の朝、出勤前にこの手紙が読まれているか確認する為に立ち寄らせていただきます。

もし、明日何か用事があり王宮に来る事が出来ないのであればお手数ですが明日の朝までにお宅の郵便受けにそのように書いたメモでも入れといて下さい。

では朝倉さん、おやすみなさい。】


勿論予定など無い。

こんなにも早くレスポンスをくれるとは思っていなかったがとても有り難い。

ローリングさんは勿論、あの隊長さんも本当にいい人なようだ。

俺はその後、日にちが変わる頃まで買ってきた本を読んで切りのいいところで寝床に入った。


翌朝目を覚ますと王宮へと出かける身支度を始めた。

一体どんな仕事を紹介してくれるのだろうかと今からソワソワしている。

勿論仕事を選べる立場では無いのは分かってるのだが肉体労働はなるべくしたくないのが本音だ。

何故なら俺の脆弱な身体では周りに迷惑をかけかねない。

出来れば頭を使う仕事だとありがたいのだが…

そんな事を考えつつも身支度を終えたので少し早いが家を出る事にした。

王宮までの道すがら軽く食事をとっときたい。

待ち合わせが正午なので朝食と昼食を兼ねる事になりそうだ。

適当な店を見つけ中に入る。

コーヒーとサンドイッチのセットがあったのでそれを頼んだ。

しばらくして注文したものをウエイトレスが運んで来る。

一口サンドイッチを食べてみる。

うん、なかなか美味い。

ふと店内を見渡すと客の中に1人何処かで見た覚えのある顔がいた。

しかし何処で見たのかを思い出せない。

まぁ知り合いという訳ではないし無理に思い出さなくてもいいか…

俺は考えるのを止め食事を続けた。

「お冷のおかわりはいかがですか?」

食べ終えたのを見計らったように丁度いいタイミングでウエイトレスがウォーターピッチャーを持ちながら聞いてきた。

「ありがとうございます。けどもうそろそろ出なければならないので結構です。」

俺がそう応えるとウエイトレスは軽くお辞儀をして違う客の所へ水を注ぎに行った。

しかしその途中ウエイトレスが例の見覚えのある客の後ろを通った時、その客がいきなり勢い良く席から立ち上がった。

「きゃっ!!」

立ち上がった反動で客の座っていた椅子が後ろに倒れてウエイトレスに当たりピッチャーを床に落としてしまったようだ。

「あー!!ごめんごめん!!

後ろ見てなかった!!

大丈夫!?」

客が慌てて尋ねる。

どうやらウエイトレスは無事だったらしいが床に水がぶちまけられてしまっている。

ウエイトレスがモップを取りに行こうとすると客がそれを制して言った。

「ウチのせいだしウチが片付けるよ。」

そして何やら呪文を唱え杖を床に向け付き出す。

するとぶちまけられていた水が杖の先端へと吸い込まれるように集まり歪な球体を成した。

客は更に呪文を唱える。

すると今度はその水の球体がグツグツと沸騰していき物凄い速さで蒸発していった。

「いやー、ごめんね。仕事の書類見てたら思いの外時間流れてて慌てて席立っちゃったのよ。

そそっかしくて駄目ね。」

そう言いながら椅子を起こす彼女の姿を見て俺は彼女を何処で見たのかを思い出した。

「あ、あの時曲がり角でぶつかった…!!」

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