第12話
(どうするかな…)
俺は改めて内心で思いを巡らせる。
これからを、どうやり過ごすか、について。
ここで飯を食いだした図太さは、ある意味ユダ戦法だ。
――こーんなときだから、食うんだよ――
必要なときのための、体力温存、栄養補給、次に繋ぐための時間稼ぎ。
どんなときだとて、ユダは意外と冷静なヤツだ。
長らくあいつといて、学んだことだった。
ーいつでもお呼びなされ。姫の頼みとあらば、この夜刀も、一肌脱ぎますぞー
ー右に同じく!ー
夜刀さんと天慶の声がする。
まぁ、中は割と冷静になってきたみたいだし。
どうやら相手も、「話をする」余裕がないわけじゃなさそうだし。
(そろそろ、かな)
カチャン、と、ナイフとフォークを置いたそのとき、俺は口を開いた。
「お待たせしたところで。改めてきいときたいんですが」
「…」
相手が、指のコツコツ、を止めた。
「あんた。とりあえず何者ですか。ついでに目的は?」
きっと。
きっと俺は、間違いなく質問の順序を誤っていた。
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